俺は狂ってますか?
3
俺を束縛するだけの奴なら、必要無い。
だってそうでしょ?
俺はこの世で一番、
何よりも大事なものを犠牲にして
自由を手に入れたんだから。
誰にも俺の自由は奪わせないよ。
「覚えて置いて、裕……
裕に取っての俺と……
俺に取っての裕は違う……
今も……これから先も……」
酷い事を言っている自覚はある。
裕は昔から俺に
盲目的な愛を捧げていてくれた。
俺が言った事なら、
どんな事でもしてくれた。
例えそれが……
人殺しであろうとも……
俺が殺してくれと頼めば、
裕はいくらでもその手を血で染める。
そして恐らく……
俺が死ねと言えば、
裕は死ぬのだろう。
優しい裕……
哀れな裕……
「ごめんね、裕、その代わり……」
そう……
俺は裕のものにはなれないけれど……
裕は決して逃してくれないから……
だから……
「傍にはいてあげる……」
俺に取って裕が
必要無くなるその時までは……ね……
裕の唇に触れるだけのキスを落とした。
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