俺は狂ってますか？
2
何もかも奪い取っていくような
激しい口付けに陶酔しそうになる。
けど、このまま許されると思ったら、
大間違いだよ？
「…っ」
「裕からキスしろなんて、
言ってないんだけど」
「ご、ごめん……」
裕は口を手で塞ぎながら、謝ってくる。
俺は裕の舌を噛んでやったのだ。
思いっ切り。
「別にキスの事はいいんだよ」
仕掛けたのは俺だしね。
「裕」
俺よりも少しだけ身長の低い裕を
見下ろしながら、名を呼んだ。
「森本直史の事を黙ってた件だけど……」
裕の顔が強張る。
「今回だけは許してあげる」
俺がそう告げた途端に、
不安げな表情が少しだけ和らいだ。
まだ安心するには早いっていうのに……
「但し」
続けた台詞に
裕はﾋﾞｸﾘと身体を揺らす。
「今度やったら、
俺は裕を切り捨てる」
裕の表情が絶望に染まった。
．
［*BACK］［NEXT#］
[戻る]
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
