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俺は狂ってますか?
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制服に袖を通すと、ピッタリだった。

ホッと息を吐いたのも束の間、
今何時なのかが気になった。

時計すら無くなったリビングでは
時間の確認が出来ない。

仕方無しに寝室に戻り、
携帯で時間を確認しようとする。

それと同時に聞き慣れた着信音が
携帯から流れた。

名前も確認せずに出る。


「誰?」

『なんだいきなり不躾に……』


呆れたような声が、
電話口から聞こえてくる。

その声はさっき俺が折り返し
電話をかけた人物のものだ。


「で、何?」

『お前なぁ……』


ため息が聞こえる。


『まぁいい。今日覚えてるだろうな』


その言葉に少し悪戯を思いついた俺は、
ニヤリと笑みを浮かべた。


「今日ってなんだっけ?
今お友達と遊んでるんだけど」


俺がお友達と遊んでると言う時は
誰かとヤってると、この人なら解釈する。
その後の反応が面白いんだ。


『な、お、おま……
忘れてたのか!?』

「食いつくとこそこ?
つまんないなぁ……」


本当につまんない。


『お前の行動には今更何も突っ込まん。
そんな事より今日は……』

「覚えてるよ。
繚蘭(リョウラン)学園に行く日でしょ?」

『………………またからかったな……?』

「今頃気付いたの?」


電話口からボソボソと
文句が聞こえた。 

今、電話している人は俺の叔父さん。
間宮昇(マミヤノボル)、繚蘭学園の理事長。

俺は今日から
繚蘭学園に通う事になっている。


『分かってるならいいんだがな……
くれぐれも問題は起こすなよ?
余り酷いと対処しきれないからな』

「努力するよ」

『な?! お前……』


そこまで言った所で
通話続行不可能になった。

何故なら……

俺が携帯を真っ二つにしたから。
つまり逆パカだね。

これでいくつめだっけ?
途中から数えるのに疲れて
忘れちゃったな……

けどこれで時間の確認が
出来なくなっちゃった。

まぁいいか……
少々遅れたって……

その方が昇さんもあいつも
怒るだろうし。

人を怒らせるのは
なかなか楽しいからね。






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あきゅろす。
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