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俺は狂ってますか?
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俺の発言に
大輝は意外な質問をしてきた。


「風海って昔なんかあった?」


まさかそんな事を聞かれると
思っていなかった俺は、
驚きから硬直する。


「プッ……ククク……」


硬直する俺を見て、
何が可笑しいのか知らないが、
大輝は笑い出した。

普段振り撒いてる笑顔の事も忘れ、
思い切り睨み付けてしまう。


「へぇ〜、それが風海の素顔?」


ニヤリと笑われ、今更ながら、
大輝の目的に気付いた。


「俺の作り笑顔、
そんなに酷かった?」


真顔で大輝に聞く。


「うん。酷すぎ」


やっぱり気付いてたか……

俺はいつも心の底から笑わない。
何をしていても本当の笑顔になれない。

だからこそ、
笑顔の仮面を被っている。
そうしていれば、
大体の人が騙されてくれるから。

けど、たまにいるんだよね。
俺の嘘の笑顔に気付く人。

でも、会ってまだ数時間の奴に
見破られたのは初めてだよ。
新記録だね。


「ねぇ、俺の目の前では
作り笑顔しないで」

「なんで?」

「作り笑顔嫌いだから」

「作り笑顔しないと、俺超真顔だよ?」

「それでもいいよ。
作った顔見せられてるよりマシ」

「ハァ…………分かったよ」


何を言っても諦めそうに無い大輝に
俺は仕方無しに折れた。

でも、条件はつけさせてもらうよ?


「その代わり、二人でいる時だけね」

「え〜」

「じゃなかったら、
作り笑顔で今日一日中此処にいるから」


実際俺泊めてもらってる立場なのに、
何様なんだ?って感じだよね。

でもね、
普段作り笑顔ばっかしてるせいか、
真顔でいるのは落ち着かないんだよ。

だからこれ位許して?







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あきゅろす。
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