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俺は狂ってますか?
5
この寮に来てから、
呆れたの何回目だろ?

まずは、玄関にある靴箱、
こんなにも大きい意味が分からない。
だって、どっちかっていうと
本棚みたいな感じの大きさなんだよ?
何人暮らしなの?って
聞きたくなる位だよ。

そして次にリビング、
見た感じ20畳位かな?
中心にセンスの良い
ガラステーブルが置いてあり、
その周りを囲むように
ソファーが設置してある。
此処までは別に良い。
けど…………64型の
DVD内蔵型プラズマテレビは
流石に行き過ぎなんじゃないかな?
こんな近くでこんな大画面見たら、
確実に目悪くするよね。

最後に無駄に広すぎるシステムキッチン、
中心にダイニングテーブル置いても、
有り余る程のスペースを有している上に、
ダイニング付きって……
バカじゃないの?
此処って男子校の学生寮だよね?
こんな機能性に富んでいるであろう
キッチンあったって
使わない人も多いだろうに……

無駄だ……
無駄すぎる……

余りの無駄さ加減に呆れた俺を
知ってか知らずか、
部屋の主はソファーに
思いっきりダイブした。

子供……?


「疲れた〜!」


何に……?


「ねぇ、来て?」


ソファーに仰向けに寝転がり、
手招きしてくる。

ソファーで、か……
まぁいいけどね。
泊めてもらえるんだから、
文句言えないし……

素直に傍に行くと、
俺の身体を引き寄せ、
強引に唇を重ねてきた。

展開はや……
気持ちいいからいいけど……

俺から舌を絡め合わせれば、
相手も負けじと絡ませてくる。

こいつ巧いかも……

うっすらと目を開けば、
視線が絡まり合った。

一度唇を離し、
もう一度深く口付けると、
どちらのともいえない唾液が顎を伝う。

長いキスを終えると、
そいつはニヤリと笑った。


「俺巧いでしょ?」


…………………………。

うん。確かに巧いよ?
でも普通自分で言う?
まぁ、今普通がどうのこうの言ってる俺は
全然普通じゃないけど。


「そういやさぁ……
俺達まだ名前言ってないよね」


何を今更……
俺は気付いてたんだけどね。
いつ言ってくるかと思ったからさ。
だから無視してた。


「名前教えんの嫌?」

「別に……」

「そう? 俺は羽柴大輝、
この学校の三年で、
生徒会の書記やってる」


生徒会の書記って……
学校サボっていいの?


「俺はちゃんと自己紹介したんだから、
そっちも自己紹介」

「青葉風海、俺も三年生、
さっき言った通り、今日転校してきた」

「ふ〜ん♪」


大輝は俺の事を
ニヤニヤしながら見てくる。

恐らくは品定め。

俺もよくやるけど……
ぶっちゃけ他人にやられるとムカつく。







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あきゅろす。
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