[携帯モード] [URL送信]

俺は狂ってますか?
4
エレベーターに乗り込み、
ボタンを探すが、何故か無い。

普通ボタンがあるべき場所には、
カードを通す機械がついている。

どうやって動くの?
このエレベーターは。

そんな事を考えている俺の事等
お構いなしにそいつは、
銀のカードを取り出し、機械に通す。
すると無機質な声が
エレベーター内に響いた。


『何階でございますか?』

「19階で」

『畏まりました』


うわ〜ハイテクだね〜
無駄な気がするけど。


「外部からの侵入者対策だよ」


別に聞いてないんだけど……


「聞きたいかな?と思って」


人の心読むのはやめて欲しいな……


「そういえば……」

「何?」


ジロジロ見ないで欲しいんだけど。
って、他人の事言えないか。


「まだ――…」


チン!


『19階でございます』


目の前の男の邪魔をするかの如く、
可愛らしい音と無機質な声が響いた。

19階に到着した事を
知らせるその声と音に
憮然とした態度を隠さず、
そいつは先にエレベーターを下りる。


「取りあえず行こっか?」


何か聞きたい事あったんじゃないの?

そう口にしかけて、
喉まで出掛かった言葉を呑み込む。

自分から言うのは、
癪に触るから絶対に言わない。

だから俺は無言のまま
そいつの後を追い掛けた。



――――――――――――――



そいつはある部屋の前で足を止め、
エレベーター内でやったように
銀のカードを機械に通し、
パネルに数字を打ち込んでいく。
多分暗証番号だろう。

本当に無駄にハイテク……

ピピッという音と共にドアが開いた。


「どうぞ」


そいつはにこやかに
俺を部屋に招き入れた。







[*BACK][NEXT#]

4/13ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!