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俺は狂ってますか?
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歩き始めてから15分経って、
ようやく辿り着いた寮らしき場所……

寮らしいっていうのは、
ここが一流ホテルに見えるから。

まぁ学校に辿り着かなかっただけ
良かったかな?
流石に校舎には入れないからね。
バレたら困るし。

その寮らしき場所に
取りあえず入ってみる。

中はホテルのロビーみたいだった。

天井には豪華なシャンデリア、
毛足の長い絨毯まで敷いてある。

なんていうか…………










無駄。

金の無駄だね。うん。

当たり前の話だけど、
誰もいない。

今の時間帯的に
皆学校にいるんだろうね。

誰かサボってる人、
いないかなぁ?

な〜んて思ってたら……


「誰?」


いた。

さて、なんて答えようか……

身長は俺より少し高い。
俺が173だから、175位かな?

赤みがかった茶色い髪は肩程まで。
瞳は紫、恐らくカラーコンタクトだろう。

やや、垂れ下がった眦と
うっすらと笑みを浮かべる口元が、
緩い印象を与えてくるが、
それでいて、王子様然とした雰囲気も
醸し出しているから不思議だ。

黒のシャツにベージュのスラックスという地味目な着衣は、
雰囲気にはミスマッチかと思いきや、
意外と似合っている。

美形は何着ても似合うってやつだね……


「聞いてる?」

「全然」

「で、誰?」

「君の知らない誰か」


目の前の彼を観察しつつ、
質問に答える。

さて、どういう反応するかな?


「プッ…………」


今、笑った?


「なんで笑うの?」

「真面目な顔して冗談言うから……」


そんなんで笑う訳?


「それで、君は誰なの?」

「この学校の生徒だけど?」

「嘘でしょ。君見たことないけど?」


見たことないって……
全校生徒の顔覚えてんの?


「君みたいな綺麗な子を
俺が見逃すハズないからね」


あぁ……なるほどね……

別にナルシストって訳じゃないけど、
俺は自分が常人よりも
遥かに整っている顔を
している事を理解してる。

この俺の顔のせいで、
可笑しくなっていった人を
何人も見て来たんだから、
理解せざるを得ないでしょう?


「嘘じゃないよ。今日転校してきたの」


事情を簡単に説明すると、
そいつはなんとも形容し難い
複雑な顔をした。


「今日転校って……
じゃあなんで此処にいんの?」

「サボった」

「ダメじゃん」

「他人のこと言えないんじゃない?」

「……………………」







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あきゅろす。
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