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俺は狂ってますか?
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「それじゃ……そろそろ行くよ……」

「俺も行かなくて大丈夫か?」

「平気だよ」


そう告げ、俺は車から降りようとした。

けれど亮司に腕を思い切り引っ張られ、
それは適わなかった。


「亮司……?」

「やっぱり離したくない……
今日は……もういいだろ……?」


甘く囁きながら、
俺の首筋に吸い付いてくる。

キスマークって
あんまり好きじゃないんだけどな……


「今日転校初日なんだけど」

「何を今更」

「それはそうだけどさ。
一応亮司だって繚蘭の教師なんだから
行かなきゃマズくない?」


亮司がニヤリと笑う。


「心配してくれてんの?」


なんでそういう話に……
まぁ今日は少し素直になろうかな?


「そうだよ」


後ろから抱き締められた状態のまま、
目線をやり微笑む。

かなり強烈だったのか、
亮司は顔を真っ赤にして
口をパクパクと動かした。


「おま……それ……反則……」

「泣かせられたから、仕返し」


悪戯っぽく微笑んだまま、
亮司の頬にソッと唇を当てた。


「?!」


プッ…………

なんか間抜けな顔……

俺の行動に完璧にフリーズした
亮司の腕からスルリと抜け出し、
車から降りる。

車から離れた後、
俺は一度だけ振り返った。

車の中で亮司は、
未だに固まっている。

その姿を見て、
自分が笑みを零している事なんて……
俺は全く気付いていなかった……







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