俺は狂ってますか?
20
このままじゃ埒が開かないと思った俺は、
ドアを指差した後、
犬を追い払う仕草を取った。
それに傷付いた顔をした裕は
すごすごと部屋を出て行く。
…………背中から哀愁が漂っているのは、
見なかった事にしよう。
裕の足音が完全に聞こえなくなってから、
俺はベッドサイドに
置いてある携帯へと手を伸ばした。
勿論俺の携帯は逆パカした為無いので、
これは裕の携帯だ。
「携帯を携帯しなかったらダメじゃん」
自分の部屋で携帯を携帯も何も
無いと思うけどね。
しかし、この言い方言い辛いな……
なんて訳の分からない事を考えつつ、
慣れた動作で
掛かっているオートロックを解除する。
因みに裕の携帯のオートロックは
俺の誕生日なので間違う事は無い。
しかも、裕ってば
絶対にオートロックの番号変えないし。
目的の人物に電話を掛ける為、
発信履歴を見てみる。
「……ビンゴ♪」
一番最新の履歴に
その人の名前はあった。
.
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