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俺は狂ってますか?
10
 

「なんで……?」

「まぁ色々な……」


言葉を濁しつつ、笑顔を向けてくる。
何を考えているのか
イマイチ掴めない笑顔だ。


「強いて言うなら、
お前が好きだから……かな?」


亮司が……俺を……好き……?


「驚いたか?」

「…………それ……ホントの話……?」


ハッと我に返り、訝しげに問うと、
亮司は肩を竦める。


「こんな事冗談で言うか」


俺は本当に心底驚いてた。
だって亮司は俺と同じだと思ってたから。

誰にも本気になれない……
本気にならないんじゃなくてなれない。
だから愛人ばっか作って、
日夜遊んで……

……………………そんな亮司がなんで?


「なんで俺の事好きなの?」


俺は俺の事を
好きだと言った奴に必ずこう聞く。
返答は大体同じだけどね……


「お前は寂しい奴だから……かな?」

「……………………」


俺はよくこう言われる。
寂しい奴……
なんでなのかな?
俺は寂しくなんかないのに。
その言葉聞くと妙にイライラするんだよね。
まさか亮司に朝から
イライラさせられるとは思わなかったよ。


「ムカつく」

「?」


亮司は俺の言ってる事が、
よく分からないって顔をする。

その顔……
絶望で歪ませたくなるよ……


「寂しいって何?
俺は寂しいなんて感じた事ないよ?
大体――…」

「嘘だろ」


俺が言い終える前に、
亮司は口を出してきた。

そのせいでますます腹が立ってくる。


「嘘ばっかり吐いたって分かるんだ。
お前と何年の付き合いだと思う?」


その言葉に…………















俺はキレた。







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