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俺は狂ってますか?
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カーテンの隙間から覗く日差しが、
俺を夢の中から引きずり出す。

気怠い身体を起こし隣を見れば、
裸の男が気持ち良さそうに眠っている。

そういえば昨日ヤったんだっけ?

未だ眠気で冴えない頭を振れば、
思い出すのは昨日の情事の事ばかりだ。

ベッドから立ち上がろうとしたら、
いつのまにか起きたそいつは、
猫なで声を出して甘えてきた。


「ねぇ〜もう少し此処にいてぇ〜?」


その声を無視して立ち上がり、
下に無造作に落ちていた服を
そいつに投げつけた。


「ちょ……なにぃ?」


不機嫌そうに頬を膨らませ、
口を尖らせている。

男の癖にそういう行動を取っても、
違和感が無い位に
こいつは可愛いとは思う。

色素の薄い少し長めの茶色い髪、
白い肌、長い睫毛、
パッチリとした目、
ほんのりと赤く色付いた唇。

これが女だったら、
さぞかしモテるだろう。

男だとしても
ホモやバイからして見れば、
かなり魅力的な雰囲気を
醸し出している。

甘ったるい声を出されて、
目なんか潤ませられた日には、
簡単に陥落するだろう。

だけど俺……青葉風海(アオバカザミ)は、
言っておくが普通じゃない。


「その服着てさっさと出てって」

「!?」


俺の言葉にそいつは目を丸くした。

そんなに驚く事か……?


「な、なんで?」

「別に……」

「僕達付き合うんじゃなかったの!?」


めんどくさい……

誰か特定の奴と
付き合うのなんて勘弁だね。
俺は自由に生きたいんだ。


「聞いてる!?」


うるさい……


「悪いけど一度やった位で
勘違いしないでよ。
はっきりいって迷惑だし」


そいつは俺の言葉に、
最初は間抜けな顔をしたが、
直ぐに顔を真っ赤にして憤慨し始める。

そして次の瞬間、
頬に鈍い痛みが走った。

なんてことはない。
俺がビンタされたってだけの事だ。


「最低!!」


捨て台詞を残し、
そいつはベッドルームから出て行った。

ありがたい。
ビンタ一発で済むなら安いもんだ。

時計を見ればもう6時半を回っている。

仕方無い……

今日は特別な日、
俺の新たな生活が始まる日。

もうすぐ迎えが来る。

さっさと用意するか……







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あきゅろす。
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