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下僕達の憂鬱
3
俺は光の速さで
イリアから顔を背けた。

なんというか、
これ以上イリアのイメージを
壊したくないっていうか……

さっきの顔は、
見間違いって事にしておこう。

ラグレス達の方に視線を戻せば、
未だにラグレスが
目に涙をたくさん浮かべて、
ジェニュウォンの事を睨んでいる。

半分泣きながら、
頬を膨らませて怒っているラグレスは、
どこからどう見ても
女の子にしか見えない。

そんな俺の視線に気付いたのか、
ジェニュウォンが凄い形相で睨んできた。

それこそ視線で
人殺せるんじゃねぇ?って位に。

恐いって……(泣)


「ジェニュウォン、
そんなにケイツを睨まないの。
ラグレス、後処理して来なさい」


いつのまにやら、
毅然とした態度になったイリアは
二人にそう言うと、
俺の腕を掴み、あろうことか、
二人がさっきまで
ヤっていたテーブルの側まで誘導し、
其処のソファーに座るように
手で示してくる。

すみませんイリアさん……
ちょっと座りたくないんですけど……(汗)

俺が目で訴えると、
イリアは笑顔で……


「座らないと話出来ないでしょ?」


何故わざわざ此処に座らなきゃ
ならないのかを聞きたい。

だって他にも部屋いっぱいあるじゃん!!

いつまでも座らない俺に
痺れを切らしたのか、
イリアの背後に黒いオーラが出始めた。

いいから早く座れって言ってんだろうが、
って、言われてるような気がするのは、
きっと気のせいじゃないだろう。

俺は本当は滅茶苦茶、
マジで、本当に、死ぬほど嫌だけど、
イリアの背後に出る
黒いオーラに気圧されて
渋々そのソファーに腰を下ろした。







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あきゅろす。
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