男子たる者男らしく!!
4
唇を離された頃には、
顔は妙に熱いし、
頭はクラクラするしで、
正常な判断が出来なくなっていた。
だからそいつが何を言ったかなんて、
全然分かっていなかったんだ。
「お前……俺のモノになれ」
訳が分からないままに頷く。
「!!! ………………いいのか……?」
「ん……何が……?」
焦点の定まらない瞳で
そいつを見つめた。
「…………分かってないみたいだな……
仕方ない、分からせてやるか」
そう言って俺のネクタイを緩めて、
手をYシャツの中に侵入させてくる。
そこまでやられた所で、
ようやく思考能力が戻ってきた。
「んな……離せ!!」
「嫌だ」
強く抱き締められ、
頭を優しく撫でられる。
そうされたら文句を言う気が
起きなくなった。
そいつの俺の頭を撫でる手が
思いの外、
温かくて心地良いからかもしれない。
昔から頭撫でられると弱いんだよ……
だかしか〜し!!
こんなんで絆される俺ではな〜い!!
俺は抱き締められた状態のまま、
自由の利く両手で、
そいつの脇腹を力任せに掴んだ。
言っておくが、
こう見えて俺は力が強い。
どの位強いかっつーと、
分かりやすく例えるなら、
林檎を素手で握りつぶせる位強い。
そんな俺が思いっきり!!!←(ここ強調)
力を込めて脇腹を掴んだりしたら……
「っい!!!」
まぁ、当然の結果だよな……
そいつはまた脇腹を抑え、蹲った。
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