男子たる者男らしく!!
2
「今すぐ避けるからっ」
慧斗のその台詞と共に、
強い圧迫感が無くなる。
潰され無くて良かったとホッとしつつ、
胸に手を当て乱れた呼吸を整える。
「薫……ごめん……」
深呼吸を繰り返していると、
シュンとした慧斗が謝ってきた。
「……嫌…………
慧斗が悪い訳じゃねぇし……」
どっちかっつーと無理に
引っ張った俺が悪いような気が……
「でも……わっ!!」
未だ言う慧斗の腕を掴み、
ソファーへと座らせる。
「良いからもうお前黙っとけ」
ボソリと耳元で囁いてやれば、
慧斗は顔を赤くする。
しかし、貴兄の顔を視界に入れた瞬間、
表情を一変させた。
うん……
その気持ちよく分かるぜ……
貴兄が真っ黒い笑顔で
デカい硝子の灰皿投げようと
構えてる姿見たら、
誰でもそういう風になるよな……
「チッ……もう少ししたら
投げてやろうと思ったのに……」
聞こえない!!
俺にはな〜んにも聞こえない!!
「で、何か質問は?」
灰皿をテーブルに置き、
ゆっくりと足を組み直した貴兄は、
そう問い掛けてきた。
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