男子たる者男らしく!!
そんな話にゃ乗らねーよ。
俺の言葉が余りにも意外だったのか、
親父は口を開けて固まった。
「ちょ……ちょっと待ちなさい、薫。
ど、どうしてなんだい?」
慌てた様子で問い掛けてくる。
そんなの……
「そんな明らか貴兄考案の話に、
俺が乗るとでも思ったのかよ?」
「嫌、これは僕が考えた事で……」
「嘘吐くな」
少し強めの口調で言ってやると、
親父はウッと言葉を詰まらせた。
「俺にドロッドロに甘い親父が、
そんな試すような事する訳ねーだろ」
どんな自信過剰だよ!?って、
思われるかもしんねー発言だけど、
これはマジ話。
親父は俺に甘い。
つーか兄弟ほぼ全員が、
俺に対して甘い。
家で厳しいのは貴兄だけだ。
………………厳しいっていうか、
鬼なだけのような気もするけど……
まぁ、それはともかくとして!
とにかく家でそんなの考え出すのは、
貴兄だけっていう事を
俺は言いたかったんだよ!!
って、俺は誰に言ってんだ? 一体……
「フゥ…………」
頭を振って、余計な考えを振り払い、
親父を見据える。
「で? 貴兄はなんだって?」
取りあえず吐いて貰うぜ?
.
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