男子たる者男らしく!!
慧斗は地獄耳なのか……?
「とにかく二人共座ったらどうだい?」
親父が困り顔で、
俺と慧斗の顔を見回す。
「あ、け、慧斗!!
親父もこう言ってるし?
取りあえず座ろうぜ!!」
慧斗の返事を待たずに、
ソファーに腰掛ける。
けれど、慧斗は無言のまま、
泣きそうな顔をしているだけだ。
………………ちくしょう……
しゃーねぇなぁ……
「慧斗……笑わないで聞けよ?」
それはまるで忠犬が、
主人に呼ばれたかの如き勢いで
慧斗は目を輝かせた。
「お前の……が……しかったんだ……」
「え? それだけ?」
聞こえてんのかよ!?
ボソボソとした声を
聞き取ったらしい慧斗は、
俺の発言がそれ程意外だったのか、
目を丸くしている。
くそぅ……
そういえばこいつ耳良いんだった……
流石犬っぽいだけあるな……
「? 薫は今なんて言ったんだい?」
!!!!!
「あぁ、俺の身ちょ……」
「どあっしゃー!!!!」
慧斗が全て言い切る前に、
親父にクロスチョップをかました。
親父にまで慧斗の身長が、
羨ましかった発言聞かれてたまるかぁ!!
.
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