男子たる者男らしく!!
2
「てめぇ! 何しやがる!?」
今、俺の顔は恐らく真っ赤であろう。
別に恥ずかしかったとか、
照れたとかって訳じゃない。
怒りからだ。
それなのに……
「ククッ……顔真っ赤だな……
そんなに恥ずかしかったのか?」
何を勘違いしやがったのか、
そんな事言ってきやがった。
うわ〜とりあえずこいつぶち殺してぇ〜
俺が物騒な事を考えていると、
そいつは急に真顔になった。
「お前……可愛いな……」
why?
普段の姿ならいざ知らず……
今のこの超滅茶苦茶だせぇ姿の
この俺を可愛いだなんて、
こいつ目が腐ってんじゃねぇの?
「気付かないのか?」
「は? 何――…」
そこまで言った所で、
そいつの手に、
眼鏡が握られている事に気付いた。
それは黒縁のびん底眼鏡……
つまり俺がかけていたハズの眼鏡……
その眼鏡が、
このとんでもなく顔が整った男の
手の中にあるという事は……
そっと目元辺りに触れてみた。
ない……
当たり前だがない……
何故だか知らんが、
俺の眼鏡は
この素晴らしく顔が整った男が
持ってんだから、
俺がかけてる訳ないよな……
って! そうじゃなくて!
「返せ!!」
そう叫んで、
眼鏡を取り返す為に
そいつに掴みかかった。
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