男子たる者男らしく!!
2
「皆に辛そうな顔させてさ……
それって俺が引き摺ってるからだよな?」
思えば貴兄はともかく、
幹兄や、幸兄、親父や、
二番目の兄貴、望(ノゾム)兄こと榊枝望は、
たまに俺に気を遣う事があった。
それは大抵俺が昔の事を
思い出してる時だった。
「俺が忘れらんないから……だろ……?」
龍の事を思い出す度に
泣きそうになって、時には泣いて、
そんな感じだから
思い出話すら出来やしない。
「ごめんな……慧斗……
気ぃ遣わせて……」
ちょっとずつ……
ちょっとずつ向き合っていくから……
「それからありがとな」
もう絶対に……
「もう龍の事で泣いたりしねぇから」
これは俺の決意だ。
.
[*BACK]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!