男子たる者男らしく!!
6
俺は掴みかかってきたそいつの腕を引き、
抱き締めた。
すっぽりと俺の腕に収まる程に、
小柄な身体からは、
甘いようないい香りがした。
俺がその甘い香りに陶酔していると、
そいつは抜け出そうともがきだす。
だが、離してはやらない。
見た目にそぐわず力が強いのか、
気を抜くと振りほどかれそうだったが、
そうならないように
抱き締めている腕に力を込める。
最初の方こそ抵抗していたが、
その内諦めたのか
そいつは動きを止めた。
抵抗がなくなった所で、
俺はふと考えた。
さっきは寝ていた為、
目を瞑った顔しか見ていないが、
起きている時はどんな感じなんだろう。
大体さっきにしたって、
一瞬しか見てないから、
もしかしたら見間違えって可能性も……
そんな事を考えながら、
俺はそいつの前髪を上げた。
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