[通常モード] [URL送信]

男子たる者男らしく!!
4
校舎裏から門の中間辺りまで来た所で、
ベンチで眠っている奴が
いる事に気付いた。

学園の生徒かと一瞬思ったが、
こんな所で寝ているのはおかしいし、
何よりダサいオタクみたいなのが、
生徒にいた記憶がない。

これでも一応全校生徒の顔は、
覚えているつもりだ。

近くに寄ってみると、
髪に桜の花びらが
やたらとくっついているのが目につく。

顔にも張り付いているにも関わらず、
気持ちよさそうな寝息を発てていて、
思わず笑みが溢れた。

それはほんの気紛れだった……

髪やら顔やらに
くっついている花びらを、
取ってやろうと顔を覗き込んだ瞬間……

風が吹いた。

ドキン――…

胸が高鳴った気がした。

風が吹いた瞬間に長い前髪が、
フワリと舞い上がったのだ。

一瞬しか見えなかったが、
可愛らしい顔をしていた。
まるで天使かと見紛う程の……

気が付くと俺は、
寝ているそいつの眼鏡を外し、
口付けていた。

寝ている奴に勝手にこんな事するなんて、
最低な事だと思う。

それでも止められない。

俺はこいつに惚れてしまった。







[*BACK][NEXT#]

18/29ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!