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君を想う歌声
2
 

「この学園に来なきゃ、
理事長(みたいな面白い人)に
会えなかった……
それだけでこの学園に
来た甲斐が……でぇ!!」


全て言い終える前に、
遥輔さんに拳骨を喰らわせられた。

なんで!?


「てめぇは…………
何口説いてやがんだ!!」

「口説いてなんて――…」

「口答えすんな!!」


再び拳骨を落とされる。

意味分かんねー……


「う〜……」


痛みから涙目になって睨みつけると、
ジロリと睨み返された。

こえぇよ……


「和臣君……」

「は、はい!?」


睨まれ、怯む俺に
理事長が声を掛けてきた。

助け舟とばかりに、
遥輔さんから目を逸らす。

その際聞こえた遥輔さんの舌打ちは、
空耳という事にして、誤魔化して置いた。


「ありがとうね……
実を言うと、不安だったのよ……
初めての編入生って事で、
無駄に緊張ばっかりしちゃって……」

「初めて……?」

「えぇ……
私、理事長になって間もないのよ」


理事長は苦笑し、肩を竦める。


「何言ったらいいか
分かんないもんだから、
テンション上げまくって
理事長らしからぬ言動ばっかり取って……
ごめんなさいね?
訳分かんなかったでしょ?」


訳分かんない事を
言ってる自覚はあったのか……







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あきゅろす。
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