君を想う歌声 8 目の前に積み重ねられた問題に 頭が痛くなってくる。 思わず頭を抑えれば、 理事長が眉を八の字にした。 「ごめんなさいね…… 転入早々厄介な事に巻き込んで…… でも、あいつらを捕まえない事には、 どうしようも無いのよ…… Gの事を模倣する者まで現れて、 今じゃこの学園は無法地帯…… このままじゃ……」 理事長はフルフルと首を横に振る。 「和臣君、この学園では 絶対に一人になっちゃダメよ。 安全に過ごしたいなら、 必ず信用出来る人間と一緒にいる事、 これだけは守ってちょうだい」 笑い飛ばすのは簡単…… けど、理事長があんまりにも 真剣な表情だったから…… 「分かりました」 いつのまにか俺も 真面目に返事をしてしまっていた。 男が男を強姦とか…… 未だに信じ難いけど…… 理事長の言ってる事は、 嘘じゃないって分かるから…… だから俺は…… 「理事長の言う通りにします」 . [*BACK][NEXT#] [戻る] |