君を想う歌声 4 明らかに落胆している二人に、 俺は怪訝な眼差しを向ける。 「よりにもよって郡司がいねーとか……」 だから郡司って誰? 「和臣君ヤバいかもね……」 ヤバいって何がですか!? 「「ハァ〜」」 二人して人の顔見て、 ため息吐くなよ!! 「お前も運の無い奴だな〜」 遥輔さんは可哀相な奴でも 見るような表情で俺を見てきている。 なんでそんな顔してんですか…… 「いい加減に説明してくれませんか……? なんの話かさっぱり 分かんないんですけど!」 強めの口調で意思を伝えると、 遥輔さんと理事長は顔を見合わせた。 「そう言えば全然、 説明してなかったわね……」 今更気付いたんですか!? 「説明すんの忘れてたな。わりぃ」 謝るよりも説明して下さい。 「説明…… どっからしたらいいんだ?」 顔を顰めて、遥輔さんは理事長を見遣る。 なんでそんな本気で悩んでんですか? 遥輔さんって説明下手? 「和臣君は何が聞きたい?」 宛てにならないと思ったのか、 理事長は遥輔さんの問い掛けを無視し、 俺に質問してきた。 . [*BACK][NEXT#] [戻る] |