君を想う歌声 5 「和臣!! ボケッと突っ立ってねぇで助けろ!!」 「はい!?」 「え!?」 遥輔さんの助けを求める声に 俺と理事長が反応したのは ほぼ同時だった。 理事長は俺の事を 初めて認識したらしく、 目をパチパチと何度も瞬かせ、 俺の顔を凝視する。 「お、おい……久音……?」 「い………………」 「?」 「いぃぃやあぁぁ!!!!」 部屋に響き渡る程の絶叫、 そして…… 「遥輔殺す〜〜〜〜〜〜!!!!」 「ぐぇ!!」 理事長は物騒な台詞を吐くと共に 体勢を入れ替え、 遥輔さんの首を締め始めた。 「ちょ……理事長!! 止めて下さい!! 遥輔さん死んじゃいますって!!」 流石の俺もこれは不味いと思い、 理事長の肩を掴み止めに入る。 「か、KAZU………………ハァハァハァ…………」 ん? なんだか理事長の鼻息が荒く…… 「本物〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」 理事長室を揺るがす程の雄叫びを上げ、 理事長は俺に抱き付いてきた。 . [*BACK][NEXT#] [戻る] |