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君を想う歌声
13
固まる俺を余所に、
遥輔さんは話を続ける。


「それでな、定期的に
巡回やら何やらしてるんだが、
あいつらも悪知恵が働くのなんのって、
今まで捕まえられなかったんだが……
お前は完璧に目撃したんだろ?
その証言さえありゃ、
あいつらも年貢の納め時だ」

「つまり……俺は目撃者って事っすか?」


固まっていた俺は我に返り、
遥輔さんに質問した。


「目撃者……あぁ……うん。
まぁ、そういう事だな……」


なんだか微妙な表情の遥輔さんを
不思議に思いながらも、俺は納得する。

取りあえず俺が見た事を
警察?かなんかに言えばいいんだよな。


「また何か勘違いしてるかも知れねーが、
この事は外部に一切洩らすなよ。
特に警察やらマスコミには絶対言うな」

「え!?」


外部に洩らすなって……
強姦って立派な犯罪だよな……
マスコミはともかく
警察にも言っちゃダメって……なんで?


「自分や友達が可愛けりゃ、黙ってろ。
俺にはこれしか言えねぇ」


そう言った遥輔さんの顔が、
余りにも真剣だった為に
俺は無意識の内に頷いていた。











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あきゅろす。
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