君を想う歌声
8
ﾌﾟｸｸ……
笑い声が聞こえﾁﾗｯと振り向くと、
遥輔さんが口元を手で覆い、
笑いを必死に堪えている姿が
目に入ってきた。
「遥輔さん……」
「さっきふざけた罰だ」
さっきって棒読みで謝った時の事か？
「さっきの事怒ってるんすか？」
「ん？ 別に怒ってはねーけどな。
ちょっとした仕返しだ」
それって怒ってるって言うんじゃ……
「まぁ、俺が言っといたから、
新は怒んねーと思うぜ？ 多分」
「多分ってなんすか!? 多分って!!」
「気にすんな」
気にするって!!
「で、和臣、俺に対してお礼は？」
「へ？」
「お前が新に怒られないように
言ってやったんだぜ？
それ位してくれたっていいだろ？」
遥輔さんはそう言って
意地の悪そうな笑みを浮かべる。
なんか企んでそうで怖いんですけど……
「何すればいいんですか？」
楽しそうな遥輔さんに
ちょこっとだけ恐怖を感じつつも
なんとか平静を保つ。
何言われっか滅茶苦茶不安だけどな……
「そうだな…………
お前の体で払って貰うか……」
…………………………は？
．
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