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君を想う歌声
天然でも怒る時はあるんです。
状況判断の出来ていない俺に
男の子が衝突してきた。

その子は小柄だとはいえ、
結構な勢いでぶつかってこられた為、
なかなかの衝撃だ。

この位だったら、
倒れ込んだりはしねぇけど……


「いったいなぁ!
なんで、こん、な所に……」


明らかにぶつかって来たのは
男の子の方であって、
俺が文句を言われる筋合いは
全くもってない。

それを言うべく口を開こうとしたら、
その子は目を丸くして、
俺の顔をジロジロと見てきた。


「………………何?」


文句を言われたのと、
ジロジロ見られているので、
不機嫌になった俺は
眉根を寄せて男の子を睨んだ。

途端にその子の顔が赤くなる。


「し、し、し………………」


口をパクパクしながら、
指をプルプルと動かし、指差してくる。


「secret roseのKAZU〜!!!?」


耳がキーンとなる程の大声で、
その子は叫んだ。


「ちょ――…」

「うるせぇっつーの!!
さっさと帰りやがれってんだ!!」


男の子を少し黙らせようと
口を開いた俺の言葉を、
フロントの奥の扉から顔を出した男が
見事に遮ってきた。







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