君を想う歌声 9 途中何度も顔を真っ赤にして、 ぶっ倒れそうになる剛志を 心配しながらも、 なんとか理事長室があるという、 管理棟の前に辿り着いた。 なんか凄い長かった気がする…… 「この管理棟の最上階が理事長室です。 一般生徒は立入禁止なんで 僕は入って行けないですけど、 多分何処かに誰かいるんで、 詳しい場所はその誰かに聞いて下さい」 剛志のその発言に 俺は顔を引き攣らせた。 だって何処かに誰かいるって、 当たり前だろ…… 一瞬ツッコミを入れたくなったが、 剛志がニコニコと余りにも 眩しい笑顔だった為、止めた。 「ありがと……」 「いえいえ! そんなお礼言われるような事、 してませんよ!!」 一応笑顔でお礼を言うと、 剛志は頬を赤く染め、 ブンブンと手を胸の前辺りで振りだす。 俺の複雑な心境なんて、 全く分かっていないみたいだ。 「じゃあ、俺そろそろ行くから。 また襲われないように気をつけろよ?」 剛志に最後に最上級の笑みを向け、 管理棟の中へと入る。 . [*BACK][NEXT#] [戻る] |