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君を想う歌声
3
考えに考えた結果、
結局俺は新の恐怖に負けた。

取りあえず迷子の件は、
この子に口止めしておこう。

だって今をときめく←(ちょっと古い)
secret roseのKAZUが
学校で迷子だなんて
ダサいにも程がある。


「あのさぁ……」


俺はその子の手を取り、
少し屈んで、
瞳をジッと見つめた。


「これから言うことは、
俺と君だけの秘密ね?
出来る?」

「〜〜〜〜っ、は、はいぃ!!」


人差し指を唇に当てて、
悪戯っぽく微笑むと、
男の子は顔を真っ赤にして、返事をした。

この子が良い子で良かった……
生意気な奴だったら、
こんなの頼めねぇもんな……


「じゃあ、さ……
道案内頼めない?」

「へ?」


あれ?
なんでこんな、
拍子抜けみたいな顔されてんだ?


「あ、の……
秘密……って……?」

「あ、いや、だからさ、
ちょっと言い辛いんだけど、
実は……な……
迷っちゃってさぁ……
ここが何処だか分かんないっていう……」


男の子の眉間に皺が寄っていく。


「つまり…………迷子、ですか……?」


う……そんなド直球でズバッと
言わなくても……


「うん……まぁ……うん……
そういう……事だね……うん……」







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あきゅろす。
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