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君を想う歌声
3
不良が視界から消え去ったのを確認し、
襲われていた男の子に視線をやると、
男の子は大袈裟な程に肩を震わせる。

やべ……怖がらせちまったか……?

secret roseのメンバーや、友達曰く、
『キレた俺は
悪鬼の如く恐ろしい』だそうだ。

今は半ギレだったからともかく、
ぶちきれると
あの新にさえ喧嘩を売るらしい。

らしいっつーのは、
キレてた時の記憶が、
ハッと我に返った時になくなってるから。

まぁ取りあえず今は、
そんな事はどうでもいいとして
問題は……


「あ〜……大丈夫か……?」


半分裸で震えてる状態の
こいつだよな……


「え……? あ……はい……」


幸いズボンは脱がされただけで
破られていなかったので、
俺は自分のブレザーを脱いで
そいつに渡した。


「え? え? あの……」


困惑して、
俺の顔とブレザーを交互に見てくる。

小動物みてぇ……







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