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NARUTO


朝からあの明るいナルトが影を背負ってる。

クラスの生徒は心配な顔をしてチラチラながめてた。

ショックが大きくてナルトは机に突っ伏して、固く瞼を瞑る。

『・・・くそ』

何でレベル上がってんだ。

歪めた顔からは不機嫌な声が漏れる。

そして始めて見た姿と声。

始めて見せた男の強引さ。

ナルトは思い出すだけで身震いした。

「わりぃナルト、今日は・・・ナルト?」

『シカマルー・・・っ』

瞳を潤ませて座ったままシカマルに抱き着いた。

それだけで彼は理解すると、ナルトの背中を撫でる。

「・・・いたのか」

こくり。伝わってくるナルトの震えにシカマルは宥めた。

昼休み二人は食べ終えると、空き教室で朝の事を話した。

「何時もと同じだったか?」

『あ・・・いや、その・・・』

上手く言えずにいればシカマルは手を取った。

「・・・なにされた」

『さ、わられ・・・っ、触られた』

直接。恥ずかしさからくる震えに、声までもがそうなった。

握られた手は離れ、告げた場所に触れるとナルトの脚が震える。

『シッ、シカマル・・・?!』

「直接って、こっちか?」

むに、と性器を握られナルトは身じろいだ。

以前も言って電車内でされたのを思い出す。

『シカマルやめるって・・・っ』

手を掴んで止めさせようとしたが、見上げる彼の眼差しに身が竦む。

「それってよ、出したのか?」

『してな、してないっ!』

ぶんぶん頭をふって訴えると、力が入りすぎてくらくらした。

「ほかには?」

『・・・な、い、うぁっ!』

「あったんだろ・・・?」

強めに握り低い声に瞼をつぶった。

「無いって顔じゃねぇよ」

『・・・つっ、連れていかれそ・・・なっ』

閉じている瞼から出て来た涙を、シカマルは指で拭う。

横隔膜が痙攣してひくひく泣き始めたナルトを彼は抱きしめる。

『でっ、でも・・・っ、助けてもっ、らって・・・っ』

怖かった。

恐怖心でナルトの身体はわななき、嗚咽した。

明日が来なければいい。

そう思わずにはいられなかった。


自分は男だから、勘違いされないようしてきたつもりが

まさか自分がされる側になるだなんて思ってもなかった。

「今は性別関係ねえからな・・・」

『っ、やだってばぁっ!』

こんな苦しくて嫌な日々が。

少し前の日常に戻りたくて。


翌朝シカマルが来てくれて、電車に乗り込んだ。

昨日の事が尾を引いて、元気がないナルト。

「今日はこねえよ」

『・・・ほんと?』

不安げに見上げるナルトは、口元を笑わせているシカマルが不思議だった。

「昨日はフード被ってたっけか」

『・・・俺それ言ってな、あっ!』

壁と向き合うようにされて、ナルトの顔色が青ざめる。

「気付かねえもんなの?感触って。」

『ひっ!』

ジーンズの中に入った手は直接ナルトの尻に触れ、驚きの声を上げた。

『シ、カマル・・・』

まさか、といいたげに振り向き見上げれば笑みを濃くしているシカマルに喉が震える。

「俺だよ、ナルトを痴漢してたのは。」


『・・・・・・っ!』

言葉にナルトの喉はひゅう、と鳴り目を瞠り頭が白くなった。

するりと腕が前へいきナルトの柔らかい性器に触れ、やわやわ揉む手。

『だって、シカマル・・・っ相談乗ってくれたのに』

「付け込みたかっただけだ。」

なにを?

痴漢する事に対しての?

信じて告げた相手が痴漢の犯人だった。

それ程ショックな事は無くて、悲しかった。

「お前に触れられると思ったら、したくなった。」

『う、あ・・・っ』

握りながら親指の腹で撫で上げられる。

痴漢は嫌だった。

なのに彼にその行為をされていたと解ってしまった今

どうしてかシカマルで良かったと思ってしまう自分。

『は・・・あっ、いや・・・っ』

「濡らして嫌ってか・・・?」

高ぶってしまった先端を撫で回され、ぞくりと背中を震わせる。

こんな恥ずかしい行為を見られて、誰かが大声を上げたらどうしよう。

駄目だと解っていても気持ち良くなっている自分がいやらしい。

ぐるぐる頭の中で回り考えていれば、止まった。

『・・・っ』

手が離れ振り向くと指先を動かしていた。

良く見れば濡れていて、糸を引いているそれが自分のだと解り頬が熱く色着く。

電車が止まりナルト達も降りたが、足元が覚束ない。

ずくずくする性器が刺激を求め、衣擦れですらそれに変わっていたからだった。

「・・・遅刻する」

『・・・っ、さき、行って・・・て』

どうにかしなければならないこの熱は、トイレで出すしかなくそこへと向かう。

シカマルが着いてきている気配が無くて安心して、個室のドアに手をかけたら身体が押された。

『・・・っ!』

鍵が閉まり振り向けばそこにいたのはシカマルで、ナルトは生唾を飲み込み後ずさる。

「なあ、ナルト・・・」

『なんで、シカマル・・・っ』

喉奥はは痛みと震えで声すらもそれを乗せ、素知らぬ顔でシカマルは口づけた。

『ーー・・・っ』

動けなくて、ただ硬直するナルト。

「・・・好きになれとは言わねえから、ナルトのくれねぇか?」

『そんっ、シカマル俺・・・っん!』


見計らったように唇を塞ぎ舌を搦め捕られる。

それから逃げようとするナルトの舌に彼は吸い付き、胸元に手をはわした。




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あきゅろす。
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