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NARUTO


翌朝シカマルと駅で待ち合わせをして電車に乗った。

『・・・こっちは考えてなかった』

「最後尾で角際なら大丈夫だろ。」

私服姿な二人は肩を並べながら他愛のない会話をした。

二人が通う高校は制服はあるが、私服でも許されている所で選ぶのが面倒な時は制服を着ている。

通勤ラッシュではあるが、まだナルト達の所は余裕があった。

『最後尾って、まだこんなに余裕あったんだな・・・』

「殆ど真ん中辺りに集中するからじゃねぇの?」

確かにナルトもそこら辺で乗車をしていた。

おしくらまんじゅうをしているようで、時々揺れで爪先を踏まれたり。

ナルトは気が緩んでいたが、それは直ぐに散漫した。

『・・・っ!』

尻に触れてくる手の感触に、ナルトは身体を強張らせた。

「こうやって触られんの?」

『なっ、何やっちゃってんの?!』

相手はシカマルで、悪びれた様子は無くナルトは目を丸くした。

「へぇ、ナルトって触ったら案外柔らかいのな。」

『ちょ、シカマルがやってどうするんだよ!』

さわさわ触れる手は、次第に揉み拉くようになり、ナルトは肩を震わせる。

相手はシカマルだと解っていても、こんな事をされれば驚きと恥ずかしさが生まれてくる。

『ちょ、シカ・・・やめ・・・っ』

「これだけだったか?こっちは・・・?」

するりと下の方へ滑り込んで、ナルトはびくりと全身を震わせた。

『じょっ、冗談はやめ・・・っ!』

「触られたか?」

振り向くとぞくり、としてしまう程鋭い眼差しと、声音にナルトは唇を震わせる。

乗客も増えてきて、ナルト達の所にも押し寄せてきて、ナルトは静かに頷いた。

「・・・ふぅん」

『シカマル・・・も、やめろってば・・・っ!』

涙目で告げても彼の手はゆるやかにナルトの性器に触れてくる。

(何でこんな事すんだよ・・・)

ナルトはただただそれだけが頭の中で支配されていた。

「ほかは?」

『・・・・・・っ』

ふるふる頭を振れば、手はすっ、と離れ頭をぽんぽんとされる。

「これだけで済んでて良かったな」

『よっ、良くね・・・てば・・・っ』

うるりと瞳が濡れ、流石にシカマルもやり過ぎたと反省した。

「悪かったな、嫌な思いさせちまって」

『シカマルまでする事ねえよ・・・』

堪らずナルトは拳で彼の肩をごすっ、と殴る。

「一人の時に狙ってるんだろ、きっと」

『・・・かも知れない』

たまに友人と一緒の時は痴漢行為をされた事は無かった。

かと言って誰かと行くには時間があわない。


明日からどう対策するのかナルトには思い付かなかった。

「当分一緒に行くか?」

『・・・でもそれじゃシカマルが大変でしょ』

見上げて返すとシカマルはくすくす笑っていた。

「別に大変じゃねぇよ、お前が痴漢され続けんのが嫌なだけだ。」

『・・・っ、シカマルってほんと勿体ねえ』

なにによ。羨ましそうに眺めるナルトに彼はただ首を傾げる。

『だってシカマル彼女作らねぇじゃん、モテんのに。』

「いらねぇもんはいらねぇんだよ」

馬鹿言ってんな。額をデコピンされてナルトは眉を寄せた。

シカマルは先輩後輩からも人気があり、良く呼び出されるのをナルトは見てきた。

それでも彼女を作らず、浮ついた噂も聞きもしない。

聞いてもただ面倒くせぇだの、合わすのが面倒だのと、とにかく面倒だと言う。

面倒を避けたいタイプがこんな事を言うのだから、少なからず自分に対して面倒ではない。そう自己解決をしてしまった。

嬉しくて、ナルトは頬を緩めて笑んだ。




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あきゅろす。
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