NARUTO
参
卵が落ちないよう時々お腹に手を当てながら食事を楽しんだ。
無論、見慣れない髪型をしているシカマルの方は余り見れず、勿体ないな、と思いながら
シカマルが飲んでいる飲み物に、チョウジはあれ?と声を漏らす。
「シカマル、頼んだの烏龍茶じゃなかった?」
「あぁ、取り替えてもらうの面倒だからこれで良い」
他愛のな会話をしながら時は過ぎていった。
『おやすみー!』
それぞれが自宅に帰る道に向かって別れを告げた。
『んじゃなーシカマル』
シカマルに背を向けた時だった。
「ナルト、お前時々腹気にしてたみてーだけど、具合悪いのか」
『シカマル・・・。』
ぴたりと動きを止めるナルト。
その声は普段よりも少し低かった。
『実は俺な・・・』
「なんだよ」
神妙な声を出したが次の瞬間
『ちょーっと腹の肉が出て触り心地が良いからついなー!』
けらけら笑いながら返したら訝しむシカマル。
「お前、太りにくいだろうが」
『体質は急に変わるんだってば!』
少しムキになってしまうナルト。
シカマルはやはり冷静な頭で、じっとナルトを見る。
「そんなに気持ちが良いなら触らせろ」
『はいぃ?!』
思いもよらない言葉にナルトは驚愕する。
シカマルの手がナルトの服に差し掛かった。
『絶対ダメ!』
シカマルから距離をとった。
卵を暖めてるのを知られたくないのは、今でも化け物と呼ばれているナルトが、何の卵かも分からない物を育てているから。
カヤにも綱手にも言われた
゙この卵はナルトの気持ち次第゙
だから危険な生き物じゃないと思っていた。
けれど確証も無く、もしかすれば捨てろと言われてしまうかも知れなくて
大切な命を
生きようとしている命を
絶やしてしまう事がどれだけ残酷か
卵を守りながらシカマルから逃げようと決めた。
[前へ][次へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!