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NARUTO


場所は変わりとある居酒屋。


イノが眉を寄せ、サクラはくすくす笑い日向は目をぱちくりさせる。


「ほんとアンタ勿体ないわよ!」


『うるせーな、どうだっていいんだよ』


片耳に指を入れて面倒そうな顔をするシカマル。


「女はあーだこうだ面倒だな」


「お腹すいたなぁ」


「ナルト遅いな・・・」



上からキバ、チョウジ、サイが各々言うが、イノがした事に触れず


「サイ、何をしている」


「シノ、これは貴重な事だから認めないと」


「てめぇ・・・そんなもん書いてんじゃねぇ!」


巻物に何かを書いているサイに、シノは黙って見つめシカマルは怒鳴る。


「記念だよ。」

にっこり笑うサイ。


いらっしゃい、と店員の声が届くと聞き慣れた声が入る。


『遅れてごめん!』


「ナルト、お疲れ」


サクラが声をかけ、イノがナルトを呼ぶ。


「ナールト、滅多に見れない姿よ!」


『は?・・・あれ、シカマル髪型どうしたってば?』


一本に縛っている髪の毛が、今はハーフアップにされていた。


「さっき直したら切れちゃったみたいで、私の貸したのよ。縛ってると勿体ないわよねぇ」


『ふぅん、シカマルはもてるから色々耳に入るけどさ、俺どっちも好きだけど何時ものが一番好きだってば。』


降ろしている姿は確かに貴重ではあるが、がらりと姿が変わってしまう事にナルトは慣れていなかった。



「あら?今日のナルト髪型違うわね」


『あー・・・何かシャンプー変えられたせいかも』


「何言ってんだ?」


キバの突っ込みに、サクラは毛先を摘んだ。


「あら、随分柔らかい・・・今回の任務先で変えられたのね」


『そう。あれ使えこれ良いって・・・女って大変なんだね。』


「当たり前でしょ!女は恋で輝き恋愛でも輝くのよ!何時でも可愛く美しくいたいの!」


イノの力説に男性陣はぽかんとした顔になった。


「んもー!だからあんたらは嫌なのよ!」


頭を抱えるイノにナルトは首を倒す。


『イノ』


「なによ!」

きっ、と睨みながらナルトを見ればふんわりと笑うナルト。


『サクラちゃんもイノも日向も可愛いってば。それに皆だってカッコイイってばよ?』


「──・・・。」


誰も声が出なかった。


『チョウジー、何食べるか決まった?』


「うん!今日はナルトと一緒だからね!」


『俺もペコペコー!』


空いていたシカマルの隣に座ってメニューに視線を落とす。



「ナルト、間違えても酒は飲むな」


『あっはは、シノ大丈夫だって!ありがとう』


コの字の奥に座っているシノに顔を向けてから、再びメニューを眺めた。


本当は頭の中で違う事が繰り返されていた。



居酒屋へ行く前に遡る。


【ねえ見た?シカマル中忍!】


【見た見た、傍にいれる先輩方が羨ましい!】


【それにシカマル中忍って容姿だけじゃなくて頭脳も体術も凄いよねぇ・・・】


【うんうん、あの中心ってカッコイイよねぇ!】


【カカシ上忍とか!】


自分の周りにいる仲間達の噂を聞いて、本当に人気なんだと改めて実感した。


俺は、シカマルが好きだ。


けれどこの気持ちを伝える気は無い。


このままの方が一番良いから。


【夢でなら私シカマル中忍と結婚したー!】


結婚か・・・俺には無理だな。


同じ事が起きてほしくない。


同じ思いや辛さをさせたくない。


【でもさ、私気付いたんだけど──…】



「──・・・ト、おい、ナルト!」


『あいでっ!』


頭を叩かれて我に返った。


「何頼むんだ」


『・・・あ?』


シカマルが眉間にシワを寄せて聞いてきて、一瞬分からなかった。


『あーごめん。ぼーっとしてた。』


「任務帰りだもんなーお前」


キバの言葉に救われた。軽く笑ってから肉料理を頼んだ。


「ナルト君、大丈夫?」


『平気平気、荷物が結構多かったから・・・ありがとう日向』


耳元を掻きながら返すと日向は安心した顔を向けた。



落ち着いてから気付いたが、腹部で温めている部分が熱くなってきた。


この卵が孵ったら、なんて名前を付けよう


何が出るかは分からないけど。


「──・・・。」


──・・・大切な、俺の子供。





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