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NARUTO
六 

あの日以来、黒森からは見えない所でナルトに触れようとして来て、触れられれば彼は奈良に告げればそれを知った奈良はナルトに攻めより、ナルトのストレスと疲労は溜まる一方。

日に日に疲れた顔を浮かべる事が増えて、看護師達も心配顔を浮かべる。

顔色も悪く、時々ふらついたりして見ていられない時もある。

ナルトはただ黒森がそれを楽しんでいるようにしか見えなくて、何度言っても聞き入れてはくれないし、奈良に言ってもそれは同じ。

二人して言う言葉が同じなのだ

自分が気を付ければいいだけの事だ、と。

板挟みになっているナルトはもう心身ともに疲れ果て、自宅に帰れば直ぐに眠るようになり、それでも取れる事なんて無い。

今日もキリキリ痛む腹を薬で誤魔化しながら仕事をしていた。

「渦巻先生尻が邪魔です。」

『・・・はあ。』

ぺん、と叩かれてもナルトは溜息しか出なくて反応すら鈍い。

はっきりいって全く邪魔ではないのだから。

今日は薬が効き難いな。

痛む腹を押さえてカルテに書きこんだ。

「顔色、悪いですね。」

『・・・お前さ、人が大人しくしている時が一番安全だって事、いい加減知っておいた方がいいぞ。』

ナルトにだって限界があるのだから。

「そんな感じしませんから」

そう告げても気にした様子を浮かべず、にこりとした笑みにナルトは苛立つ。

ぎりっ、と握っただけの硬いボールペンが容易く簡単に折れてしまい、血が滲んだ。

『だったら理事長でも院長にでも聞いてみろ。』

誤魔化すかもしれないが。

ナルトは折れたボールペンを置いて絆創膏を取りに向かった。

黒森はその折れたボールペンを眺めて、微かに血が付いている事に気付いて振り向くと、先ほどとは違い看護師に笑みを向けて話している姿。

「そう簡単にあの人は折れない訳か・・・」

このボールペンと違って。





*******


どごん、という音が室内に響いた。

纏う空気は冷たく重く、ぎらつく瞳は野生のように鋭く光っていた。

「落ち着け、ナルト」

『・・・は?』

だれのせいでこうなってんだよ。

そうい言いたげな眼差しに、自来也はたじろぐ。

流石両親の血を引き継いでいるだけあってか、切れると恐ろしい。

父親であるミナトは金色の閃光。

母親であるクシナは赤いハバネロ。

剛力の血はナルトのも受け継がれ、ナルトは見た目に反して怪力だった。

院長室に来た途端、ナルトは重厚なテーブルを意図も容易く蹴り上げあんな音が響いた訳だが、ナルトにだって我慢の限界があり、発散したかった。

仮にも院長室。

そんな事思ってもしてはいけないとしても、ナルトは祖父だからと遠慮しなかった。

結局テーブルを戻さなければならないが、ナルトは律儀に戻し、ソファーにどかりと座り、天井を仰ぐ。

『あー・・・いてえ』

痛む腹に手を当てて、低い声で呟くと、自来也は尋ねてくる。

「腹、どうした?」

『誰かさん達のせいでストレスやら精神的苦痛で腹がいてーの。』

ぐうの音も出なかった。

そんなに酷いのかと。

自来也はナルトから話を聞いて、更にショックを受けた。

少し休んでから詰所に戻ると二人がいて、ナルトは違う空いている席に座る。

「渦巻先生、少しは良くなった?」

『それが全然効かなくて参ってるんです。』

どこ痛いの?

そう聞かれてナルトは痛む腹に手を添えながら、胃が痛い、と告げる。

「吐き気とかは?」

『時々?でも今日は何時もよりちょっと痛いかな・・・』

ストレスー?と言いながら看護師は薬棚の方へと向かう。

付き添う親の事もあり、それなりにあるがナルトはぜったい二人のせいでこうなってるんだ、と憎しみを込めて背中を睨みつけた。



ナルトが薬を貰って担当の病室へ回診に向かっている間
、奈良は黒森を医長室に呼んだ。

「なんですか?」

「お前、止める気ねえの?」

ありません。

きっぱり返すと、奈良は煙草に火を点ける。

「服の上ならいくらでも触ってもいいぞ。」

その言葉に黒森は、なんて奴なんだ、と思って口を開く。

「随分寛大なんですね。」

「ああ、俺はお前と違ってその中を思う存分可愛がれるし、お前がそうする度に楽しめる。」

奈良だって本当は触れられたくないのだが、そこは男として強気でいたかったし、目の前の人間に負けるきもしない。

「俺は貴方にとって良い餌、ですか」

「そうだ。限界になればあいつは必ず俺の所に来るし、お前が何をしても俺を楽しませるだけしかない。」

奈良の余裕のある姿と言葉に黒森は睨みつけるが、奈良は紫煙を吐いて更に言葉を続ける。

「どうだ・・・お前と理事長との賭けは上手くいきそうか?」

「・・・。」

この男は何処まで知っているのか、彼は恐ろしさを感じた。

「体調悪いのしってて、あなたは責めるんですね」

「責める?可愛がるの間違えだろ。」

灰皿の火消しに煙草を差し込んで紫煙を吐く。

たったそれだけなのに、様になる奈良の姿。

「それじゃあ俺はそれを楽しませてもらいます。」

「好きにしろ」

話は終わりと見えて黒森は部屋から出た。

一人になった奈良は携帯をとりナルトに連絡をした。




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