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NARUTO


まだ狙う者がいると、シカマル達は知っていた。無害な顔でナルトに近づいて何かをしようとする者たち。

あの騒ぎで懲りた物は多いが、それでもどうにかして連れ去りたいと思う者。

ナルト一人で里の中を歩かせるのは危険だが、閉じ込めた所で逃げ出す事なんて分かり切っている。

だからこそ外に出るときは必ず先に、綱手の所へ向かうよう言いつけた。

まだ完全に消えたわけでは無い。シカマル達の説明を聞いて、ナルトは自分が何をしたのか、どうしてこうなってしまったのか、と涙を流した。

任務は必ず仲間の誰かと行くようにして、監視もつけるようにしたが、それが誰なのかはナルト本人は分かっていない。

「――落ち着いたか?」

『・・・ごめん』

震えがとまり、ナルトは恥ずかしげに離れて俯く。

「外出るのはいいが、声かけられても近づくなよ?」

『うん・・・』

周りに、迷惑をかけるのが嫌だ。

自分だって忍であり、上忍なのだから。

自分の身は守りたい。

「飯、食ったか?」

『・・・霞なら』

なんだそれ。苦笑してシカマルはナルトの腕をとって引き上げる。

『・・・っわ!』

「なに食いてえ?」

切れ長の瞳が優しい色でナルトを見詰め、とくり、と胸が高鳴る。

『・・・何でもいいよ』

「じゃあ、野菜尽くしでもいいんだな?」

『それは駄目!絶対に駄目っ!!』

嫌な顔を浮かべながら力強く告げた。

店に向かう途中でキバとイノと出会い、それからイノとサクラと出会った。

先ほどの事を伝えれば、憤怒したイノとサクラがテーブルを壊しそうになったのを必死で止める姿があった。


******

シカマル達はナルトが以前と変わってしまった事に気付き、何度も話し合ってきた。

あまりにも度が過ぎていることに皆が腹を立てたが、それよりもナルトが笑わなくなってしまった事にショックを隠し切れない。

笑うけれど、どこか違う。


屈託なく笑う姿を見なくなって、元気に動き回る姿を見なくなって、騒がしい声すらも聞こえてこない。

ナルトがいるのに、里の中に居ないような感覚がして。

確かにナルトは大人になると一気に急成長して、誰が見ても振り向いてしまう程になった。

憂いた表情はどこか艶がのり、微笑んでいるだけで見ている側が熱を帯びてしまうような。

けれど中身は元気なままで半減されているとしても、身体の線は隠し切れない。

隠し切れない魅力と、色香が人の心を狂わせた。

仲間達からすればこれと言って感じないのは、皆が皆揃っているから。

なによりも幼いころからの付き合いで、そういった感情が芽生えてこない。

仲間から見た渦巻ナルトとは、大変なとき程頼りになり、予想外1で、どこか抜けていて弟のような存在。


痛みと孤独をしり、小さかった身体でそれを受け止め認めてもらおうと頑張っていた、火影馬鹿。

それが今ではその馬鹿すらしなくなり、大人しくなってしまった。


「風邪ひくぞ」

『・・・ん。』

窓を開けて夜空を見上げているナルトの隣にシカマルは腰かける。

何度言ってもナルトは必ず外を見る。

『シカマル・・・』

「・・・ん?」

静かな声で彼を呼ぶと、ナルトの横顔を眺めた。

『ごめんな、俺が此処に居るからシカマルの自由が無くなって』

「いや、俺は自由にしてる。」

『だって、俺が此処にいたら、シカマル連れて来れないだろ?』

ああ、これは女の事を言ってるのか。

シカマルはそう気付いてナルトの耳に手を伸ばした。

「お前が居ればいいって、言ったろ?」

『・・・っ、で、も・・・っ』

さわりさわりと、耳を僅かな加減で触れるシカマルに、ナルトの肩は竦む。

段々俯いていくと、シカマルはそこに顔を近づけて、赤い舌先を出した。

『・・・っ、う、あっ!』

れろ、と舐められ声が出てナルトは口許を隠す。

顔を赤らめながらシカマルに視線を向ければ、頭を抱きかかえられた。

『シカマ・・・うあっ!』

耳の中に舌先がぬるりと入り込み、何とも言えない感覚にぞくりと背を震わせる。

かあ、と赤みが強まり、ナルトの胸はどくんどくんと胸を打ち付け、身体の中までもが熱くなってきた。




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あきゅろす。
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