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NARUTO
新任 渦巻先生 R18

*研修医渦巻ナルト の続編となっております。


渦巻ナルトは晴れて一人前の小児科医師となって、勤務地は研修医の時と同じ病院で、子供達には相変わらず人気だった。

今日も入院患者たちとキッズルームで遊び、遅れている勉強を教えていると、看護師に声を掛けられる。

「渦巻先生、奈良先生が呼んでいましたよ」

『はーい、いま行きます』

またこんどね、と謝ってからナルトは奈良のいる部屋へと向かった。

ノックをして中に入ると、デスクで書き物をしている奈良の姿。

「悪いな、教えてたんだろ?」

『大丈夫です。』

この目の前にいる奈良シカマルは小児外科医長であり、ナルトの恋人でもある。

相変わらず若い女性に人気だが、最近は人妻からも人気が出ていて困りもの。

ちょいちょい、と手招きをされて彼の元へ行くと、腕を引かれて膝の上に乗せられた。

『ちょっ、誰か来たらこまります!』

耳元を赤くして告げれば、奈良の手元にはリモコンが握られている。

「鍵締めた。」

『・・・業者さんが何かしているのかと思えば』

まさかこれだったのか。

飽きれていると、シャツの中にするりと彼の手が入り込んできて、びくん、と腰が揺れる。

『なに手入れ・・・っう!』

震えた声は直ぐにかき消される。奈良の指がナルトの口腔内に入り込んで、彼の指がナルトの舌を撫でる。

「午後から手術あるから今の内に癒されようかと思ってな・・・」

『だっ、だからって・・・んあっ!』

小さな突起を抓まれて、ナルトは背中を逸らせてしまう。小さな刺激でも反応してしまうのだから仕方が無い。

「声、押さえとけよ・・・」

『押さえろって・・・奈良さん何する気ですか?』

「自分の口で言ってみ?」

頬を撫でながらそんな艶のある声で言わないでくれ。

まだ勤務中だというのに、こんな事をしてしまっていいのだろうか。

けれど、逆らえない自分もどうかと思う。




*********


腰を摩りながら廊下を歩くナルトは、看護師達にどうしたのかと声を掛けられ、ぶつかった、としか言い返せれなかった。

子供達の相手をしていれば、当然腰を痛めることなんて良くある事だが、今日はそこまでの事をしていない。


詰所に戻ると、今年研修医としてはいって来た子がカルテを眺めていた。

栗色で軽いパーマをかけ、大きな目。後ろから見れば女と思うが、正真正銘成人男性。

『黒森君、出来上がった?』

「・・・はい。」

声も可愛らしく、看護師達は癒されると言っていた。けれどどうしてかナルトと話す時はツンツンとしている。

カルテをみて、ナルトは問題ないと彼に返すと、病室から鳴き声が聞こえてきた。

『果那が起きたのか・・・』

行ってきます。そう言って椅子から立ち上がると、近くにいた看護師は、よろしくね、と笑みを浮かべる。

『果那ー、おはよー、今ママ買い物に行ってるからもう少し頑張ろうなー』

病室から聞こえるナルトの声に、看護師はクスクス笑う。

「いやー、ママがいいいーっ!」

『私がママです!』

「やあーよっ!!」

鳴きながら怒る女の子。けれどこのやり取りはもう何度もしてきて、ナルトは慣れていた。

そんな中、どこかすっきりとした顔で奈良が詰所に現れる。

「うちの保育士はどうした?」

「果那ちゃんの所でーす」

笑いながら返すと、奈良はふっ、と笑う。

子供に好かれてるだけあって、周りもナルトの事を保育士と呼ぶことが多い。

「奈良先生、渦巻先生は子供達に掛かりきりで大丈夫なんですか?」

黒森の問い掛けに、奈良は目も合わせないで返す。

「基本、子供達がぐずると何も出来ないからな。親と離れて不安だろうし、一人で病気と闘ってるから、尚更怖いんだ。けど、あいつはそれを分かって、真正面から受け止めてんだ。」

子供の健気さと、子供なりの想いを。

『果那、おいで・・・抱っこしたい。』

両手を広げて微笑むと、泣きぐずっていた子は抱きついてきた。

何処までも優しい声と顔を向けるナルト。

そのままナルトは詰所に戻って椅子に座った。

「またそれでするのか?」

『しまーす、奈良先生はもうそろそろ時間ですよね?』

簡単な手術で、腕にカテーテルを入れる作業。

それでも肌に痕がのこってしまうのだから、ナルトの眉は下がってしまう。

「ああ、その前に院長に呼ばれてるから行ってくる。」

祖父ちゃんの所か。

馬鹿な事を言わなければいいけど。ナルトの祖父である自来也は兎に角女好きで、グラビアや成人雑誌を読むのが大好き。

もちろんアダルトDVDも好きで、それを防音の効いた部屋で大音量で聞くのだから頭が痛くなる。

それでも院長なのだから抜け目なく仕事をこなしている。

もっと言うなら、医院長の上をいく理事長は、祖母なのだから何とも言えない。

医療に詳しい祖母が医院長になっても良かったのに、祖父が理事をするとなると病院自体が危なくなってしまうのを祖母はわかっていた。

『・・・はあ。』

ナルトは無意識に溜息が出ると、シャツを引っ張る小さな手。

「・・・疲れたの?」

『違う違う、自分の身内の事を考えてたんだ。』

頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細める女の子。ナルトの眼差しは柔らかくなった。

(ほんと、可愛いな・・・)

膝の上で作業をしていると、女の子の母親が帰ってきて詰所に来た。

大好きな母親に会えて女の子は抱きついて涙を流す。ほんの少し離れただけでも寂しくて。

子供は親がいなければ生きていく事が出来ない。

縋り付いて、大好きだと身体すべてを使って現す。

寂しかった、悲しかった、困らせてしまっていると分かっていても、抑えが利かなくなる時もある。



場所は変わって、奈良は院長室に来た。

「失礼します。」

「悪いのう、これから手術だというのに」

自来也は目を通していた書類をデスクに置いた。

「いえ、何かありましたか?」

「どうだ、渦巻の仕事ぶりは」

「いたって真面目で、子供達にも看護師達にも好かれています。」

近況報告か。奈良は目の前にいる相手をみてそう頭の中で感じる。

「研修医の黒森はどうだ?」

「まだ慣れていないので、何とも言えません。」

「随分可愛らしい顔をしているから、大丈夫か?」

「今のところは問題ありません」

そんな話をしていき、自来也は奈良をじっと見つめた。

「所で奈良先生・・・」

「――なんです?」

なんか嫌な感じがする。奈良は引き攣りそうな口許を堪えて彼の言葉を待った。





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