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NARUTO


荷物を車に乗せてる時に、奈良からの提案で自宅に来る事になった。

ナルトが買ったハウス付のキャットタワー、トンネル、ハンモック等兎に角お金をかけて揃えたが、組み立てが半端なかった。


そしてナルトの自宅についた奈良は、テラスハウスだと言ったが、どう見ても立派な一軒家にしか見えない。

「親もここ?」

『いえ、両親は違う所に住んでいます。』


がさがさ音を出しながら物を出して行くと、奈良はぐるりとリビングを見回した。

広いからなのかあまり家具がなく、スッキリしていて必要な物しか置いていない。

『・・・あっ!』

ナルトは思い出したように奈良の方へ顔を向けた。

『奈良さん、お腹減ってません!?』

「あー・・・そういや食って無かったな・・・」

腹を抑える奈良に、ナルトは何がいいのか考えると、彼が思い付く。

「これ終わったら俺の家で食べます?」

『・・・へ?』

なんで奈良さんの家なんだ?

ナルトは目を丸くして奈良を見ると、にこりとした笑みを浮かべていた。

「クラマも喜ぶし、何がいいです?」

『でもまだ時間かかっちゃいますよ?』

「簡単だからすぐじゃない?」

作業を始める奈良に、ナルトは困惑顔を浮かべると、彼はもう一度何がいいのか尋ねてきた。

『んー・・・簡単なものって何があります?』

「作り手によって違うからな・・・」

買い物行った時にでも選ぶか。奈良は呟いてダンボールから遊具を取り出して組み立て始めた。

もくもくと作業を始めて一時間が経てば、すべてが終わって部屋に運んだ。

『・・・やっぱりこれは部屋が良いな』

「青いやつ?」

丸いベッドを抱えてナルトは頷く。青の他に黒もあって寝室にどれを置こうか迷っていたナルト。

「両方置いてから考えてみれば?」

『そっか、そうですよね!』

ぱっと明るくなってナルトは両方持って寝室に向かって階段を駆け上がっていく。

それを見て、奈良は二階に置く遊具を持って二階へと上がっていった。

『やっぱ天蓋付のベッドがいーっ!!』

「・・・なに叫んでんだ?」

ナルトの声を聴いて奈良は寝室の方へ来ると、ベッドの上で蹲るナルトの姿。

遊具を置いて中に入ると、日差しが入る大きな窓に大きなクローゼットと棚に、テレビ台。

ダブルのベッドのサイドにはランプがあって本当に寝るだけの部屋だった。

「何してんだ?」

『ここ!ここに猫の天蓋付きベッドが欲しいっ!』

ナルトは奈良の方を見ながらそう告げると、彼は溜息を零す。

「どんだけ親馬鹿なんだか・・・」

『だって!なんかこう・・・いや、起きた時視界に入るんなら・・・』

ぶつぶつ呟くナルトに、奈良は近づいてくる。

「猫なんて、寝たい所で寝るんだから気に入らなかったらただの家具にしかならないぞ?」

『んー・・・やっぱりそうか。』

じゃあこれにしよう!ナルトは青いベッドを枕の隣に置いて眺める。

「んで、あれは何処におくんだ?」

『あ、それは何処に置こうかな・・・』


ナルトは寝転がって部屋を見て、窓際に視線を向けるとにこりと笑みを浮かべる。

『窓際!絶対窓際!』

「はいはい」

苦笑を浮かべながら奈良は廊下に置いておいた遊具を持って、ナルトが告げた所にそれを置いた。

『いい!二階から景色見えるから丁度いいっ!』

「太陽の光も入るから気持ち良さそうだな、ここ」

『気持ちいいですよ、風の通りもいいし最適です。』

それからトイレなどを設置してから、二人は買い物に出かけ刺身になった。

奈良の部屋に上がると、クラマを抱き上げてふと気づく。

『奈良さん、クラマは何時頃から缶詰食べれるんですか?』

「体力戻って来たから今日から缶詰かな。」

奈良のお蔭でクラマは日に日に元気になって行っているのが見て分かる。

ナルトは奈良に感謝しきれない。

『奈良さんのお蔭です・・・本当にありがとうございます。』

「たいした事なんてしてませんよ、回復力が速いおかげだし。」

そうだとしても、こうして面倒をみてくれるのだから、ナルトはお礼を言っても足りない。

『あの、今度奈良さんの予定が無い時ご飯奢らせて下さい。』

「んー、俺はそれより違うのがいいな。」

キッチンに立っていた奈良はナルトがいるリビングの方へと来ると、同じ目線になってナルトを見る。

それが恥ずかしくて俯いてしまった。

『何がいい、ですか・・・?』

「俺に譲ってくれない?」

『・・・え?』

ナルトは無意識にクラマを抱きしめた。毎日一緒に居て情が芽生えてしまったのだろうか。

ナルトの心臓は嫌なぐらいドクドクと胸を打ち付ける。

「渦巻さんの――・・・」

『おれ、の・・・?』

なに。

言いかけた言葉は奈良が伸ばした指で留められる。

その長くてしなやかな指先は、ナルトの胸元に止り、つう、と喉元へと滑る。

『・・・っ!』

それがくすぐったくてナルトは声を詰まらせると、顎をなぞり唇に止った。

『あ、の・・・っ』

指先が下唇についたままナルトは動揺をうかばせ小さな声をだす。けれど恥ずかしさで声が震えた。

言葉や仕草は優しいのに、ナルトを見つめる奈良の瞳の奥は光っている。

至近距離でみる奈良の魅力はナルトには強すぎて、目を伏してしまった。

「それ、だめだから・・・」

『・・っ、んっ!』

奈良の顔が近づいてきてそのまま唇を奪われた。

「――・・・全部欲しいんだけど」

『おっ、おれ・・・食べ物じゃな・・・んっ!』

言葉にすると直ぐに唇は塞がれて、ナルトの肩から力が抜けてしまう。

頭がぼーっとして、離れなければならないのにそれが出来なくて。

腰を抱かれ、背中に腕を回されればナルトに逃げ道はない。

『奈良さ・・・っ、ま、んうっ!』

胸元に手を突いてナルトは開いた口で言葉にしても、呆気なく塞がれると同時に柔らかくて暖かなものが入り込んできた。


『ふう、あ・・・んっ』

鼻にかかる甘い吐息に、奈良はぞくりと背筋を震わせる。ナルトを見ようと覗き見れば、蒸気した頬に水の膜が張った伏した瞳。

唇だけが離れると、動かせば触れてしまいそうな距離になった。

「俺は、アンタそのものが欲しいんだけど・・・?」

『な・・・っ』

かああっ、と真っ赤になる顔に奈良は喉を鳴らして笑う。

「渦巻さんって、やっぱり鈍いですよね」

『にっ、鈍くなんて・・・っ!』

ないです!

むにゅり、と唇が触れてしまってナルトはまた俯く。


「鈍いんじゃない、普通持ち帰るとかしないし、面倒なんて見ないし。」

『・・・・・・。』

ナルトは奈良の言葉を頭の中で復唱すると、動物患者を自宅に持ち帰るだなんて聞いてことが無い。

『でも、懐かれて・・・』

「懐いてるけど、それは口実。」

指先が唇に触れて、ナルトの肩がピクリと揺れた。この空気がナルトは苦手で、どうしていいのか言葉が見つからない。

「さっき、泣きそうな顔、してなかった?」

『・・・っ!!』

気付かれていたことにナルトの瞳は見開かれ、瞳が彷徨う。

「・・・ちがった?」

どうして気付かれたのかナルトには分かりはしない。

けれど、この胸の中にたまっているものを彼に告げればどうなるのか。

『・・・なり、ました。』

消え入りそうな声で告げると、顎を掴まれて上を向かされた。

「それ、なんでなった?」

『それ、は・・・その・・・っ』

絡み合う視線から逃れるように逸らして、ナルトの心臓はバクバクと強く胸を打ち付ける。

苦しくて、胸が締め付けられるような感覚がした。

『だって・・・こんなになるなんて思わなかったから』

胸元のシャツを握ると、奈良の手が重なった。

「あの日、暗い空気できただろ?」

『・・・はい。』

代役を言われたひの事だとナルトには直ぐに分かって頷いたら、背中を撫でられる。

「俺も空気わるかっただろ?」

『・・・はい。』

悪かった。だから疲れているんだと思っていたのに、それが違った。けれど直ぐに彼の空気が変わって気にならなかった。

「あれ、偶然見ちゃって、それでわるかったんだよ。」

『あれはキバ・・・大学からの知り合いで、同じ高校教師になったものの、同じ高校に赴任になったんです。』

奈良に説明をするときょとんとした顔を浮かべてナルトをみていた。

『それに、本当は出たくなかったけど生徒に罪は無いから・・・でないと可哀想なのは生徒だし・・・』

嫉妬、していたのだろうか。

そうおもうとナルトの胸はきゅん、として落ち着かない。

「もっと言ってやろうか?」

『何をですか・・・』

他に何が?

思うと頭ごと抱きしめられてナルトは奈良の香りに包まれる。

「雨の日はだるそうに歩いて、晴れの日は生徒と話しながら帰ったり、空見上げてたり。」

良く見かけてた。

とくり、とくりと動く心臓に気付きながらナルトは瞼を閉じる。

きっと奈良よりもナルトはそこまで見かける事がなかった。

ただすれ違う程度で

いつも背中が曲がっているのが勿体無いと思って

たったそれだけでナルトは奈良の事を気になってしまっていた。

『ダメなのは、奈良さんです』

「なにに?」

『・・・俺、もっと奈良さんの事、好きになっちゃいそうだから』

言わないで。

苦しくなってしまうから。

「――なれば?」

両頬を捕えられてゆっくり顔を上げられると、そこには優しい眼差しを向けた奈良の姿。

「なってもらわないと、困る」

『奈良さん、俺奈良さんが好きです・・・っ』

良く言えた、と言葉にしないで口づけをされた。

啄む口付けから、深いものへと変わっていきナルトはシャツを掴んでしまう。

けれどナルトの身体から熱が集まってきて、もぞり、と動く。

「・・・フルコース貰ってもいい?」

『フルコース?』

レストランにでも行くのだろうか。きょとんと首を傾げると、奈良は苦笑を浮かべていた。

「まあ、いっか・・・」

『なにがですか?』

髪の毛に指を絡ませて奈良はそのまま撫でる。

「近々分かるとおもうけど?」

『・・・そうですか。』

分かるのならいいや。呑気なナルトは余り気にもせず考えるのを止めた。

後日、クラマの足は良くなり、毎日家の中を走り回る姿と、笑顔を浮かべるナルトとそれを見詰める奈良の姿があった。






さとまる様へ。

先ずはこんなに長くなってしまってもうしわけないです!いや、本当に無駄な話が満載でしたね。ごめんなさい。

リクエスト、ありがとうございました!嬉しくて舞い上がってしまいこんなにも長くなろうとは・・・。

40000hitキリ番リクエスト、ありがとうございました!






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