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NARUTO
言葉の駆け引き    疾風シカナル


奈良シカマルは年の割には年寄り臭い。

昼寝も将棋も好きだし、面倒な事はしたがらない。

頭が良くて、家柄も申し分ない。

それなのに持って生まれた外見が良すぎて、里の女には人気。

いつも猫背にしてるから、年をとったら背中が曲がるだろうな、って思ってみたり。

もてる癖に、女遊びはせず、聞いてみれば女は面倒だから嫌だ。と本当に嫌な顔で言われる始末。

『なぁ、シカマル・・・』

「あー・・・?」

今日は暑くて団扇が手放せれ無い。パタパタ扇いでも、風は温い。でも無いよりはまし。

『シカマルってさー、女は面倒なんだろ?』

「うるせぇだろ、やれ時間だの服がどうだの・・・言い方がどえとかって」

なんだよ。柱一本挟んでそれに寄りかかっているナルトに視線を向けるシカマル。

『じゃーシカマルは男が好きなのか?』

大きな青い瞳でシカマルに尋ねるが、本人は思い切り顔をしかめた。

どうしてそうなるんだ、お前の思考は。

「・・・どっちだと思う?」

『しーらね、別にシカマル男とくっついても、シカマルには変わりないし。』

好みの問題で、後は何も変わらない。

ナルトは無邪気な笑みを浮かべると、扇いでいたシカマルの団扇がぴたりと動きを止めた。

「俺が男を好きだとしても?」

『かわんないかわんない。』

大丈夫!ガイ先生みたいに親指を立ててニッカリと笑んだ。

シカマルはその手を掴み、そのまま自分の方へとナルトを引き寄せる。

『・・・へ?』

「じゃあいいんだな」

『いい、とは?』

何がいいのか分からないナルトは頭の周りにハテナマークが浮かぶ。

シカマルにもたれ掛かったナルトはただシカマルを見上げていたが、そっと頬に手が添えられた。

「俺が男を好きでも、お前は変わらないんだろ?」

『うん、だからどうし・・・っ』

唇にシカマルの指が当たって言葉が途中で止まる。

ナルトは下から彼を見上げて、瞳が見開かされた。

『・・・っ!』

それはナルトが今まで見たことが無かった、シカマルの表情に。

艶めいていて、優しいのにどこか真剣さを光らせる瞳。

「なあ、ナルト・・・」

耳に届く声すらも違いような気がして、頬に熱が集まって来たのがわかった。

それを知られたくなくてナルトは体勢を立て直そうと身じろぐが、うまくいかない。

「まずはコレ、食わせろ・・・」

『くっ・・・んんっ!』

唇が重なりナルトは目をみはった。

無駄に力が入っているナルトの唇を開かせようと、シカマルは項をそろりと触れる。

『・・・っ、んやっ!』

簡単に開いた唇に、シカマルはそのまま舌を入れてナルトのを絡め取る。

『ふう、うっ・・・んうっ』

違うの体温と感触。そして息苦しさで瞳が潤み、縋るようにシカマルの腕をつかんだ。

「──・・・次はココ、な。」

『つっ、次なんて、あっ、あるかぁっ!』

肩を上下させながら呼吸を整え、真っ赤な顔でシカマルに怒鳴りつけるナルト。

ココ、と言われた場所は首もと。

ナルトは今日からシカマルと距離を置こうと考えた。

「お前、明日から絶対逃げようとするだろ。」

『すっ、するか!誰がするかよ!』

図星を言われて誤魔化したが、なんと馬鹿な回答をしてしまったんだ。

「じゃあ、逃げるなよ、捕まえたらココな」

『誰が捕まるかぁ!』

この日を境に、翌日からシカマルに捕まっているナルトを見かけるようになった。



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