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NARUTO
十二 

荒い息遣いと肌がぶつかる音。

そして皮のソファーがきしきしと鳴る。

乱れた姿のままナルトはライターに火を点けて奈良の煙草に向ける。

「こんな時にまでするか・・・?」

『・・・つい』

癖になってしまったのだから致し方無い。

奈良は煙草を吸いながらナルトの太腿を撫でる。

「誰も来なかったら、この格好がいいんだけどな」

『・・・そうとうこの格好が好きなんですね』

拘っているとしか言えない。

起き上がりたくても、力が入らなくてどうすることも出来ない。

「ああ、お前がその格好でいると何時でも触れるからな。」


『・・・そうですか。』

そんなにいいのだろうか。

自分では良く分からないが、男性社員からの人気は高い。

ましてスカートの中がこんな恰好をしていると分かれば、襲いたくなる輩が出てくる事も。

「普通は、俺と面接なんてしない」

『・・・自分だけですか?』

尋ねると奈良は頷き、煙草を消した。

そしてナルトを頭から抱きしめる。

「履歴書を先に見るのは俺だ。それを決めて面接をするのが下の奴らなんだ。」

誰もナルトが男である事を知らない。

「傍に置きたいと、思ったからだ。」

『・・・社長』

真摯な眼差しで告がれ、ナルトの頬は痛くなる。

「毎日触ってれば、俺に対する抵抗は無くなるだろうし」

『・・・予測済みでしたか』

先読みまでしていたとは思ってもみなかった。

「それ以外にもこの前の事も踏まえてだったが・・・それはそれでされたら気に入らなかった。」

嫉妬、なんだろうか。

「本当なら、映画館でこうする予定だったんだけどな」

『・・・公共の場所でなにいってるんですか』

誰も来なかったが、来た時の事を考えて欲しい。

「あ?貸切にしたんだぞ」

『信じられません・・・』

そこまでするか。

ナルトはこれから先が少し不安になってしまう。

そういう場所にいったら、疑う事を。

「まあ、次があるからいいんだけどな・・・」

『あっ、ありません!』

かああ、と耳まで赤くして乱れたシャツのボタンを直そうとしたら、彼の手が重なった。

「なにしてんだ?」

『仕事をしなければいけませんから』

メールが来ているのかも知れない。

けれどそんな事奈良には関係なくて、折角閉じたボタンが直ぐに開かされる。

「社長と秘書は常に一緒に行動を共にするんじゃなかったのか?」

『ですが、それとこれとじゃ・・・いっ!』

「俺は今休憩時間なんだよ、だからお前もそうに決まってんだろ」

こんな所で黒い部分を出さないで貰いたい。

これから先、ナルトは目の前にいる奈良をどう対処すべきか考える悩みは尽きなかった。






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