NARUTO
十 *
直接触れず、下着の上からナルトの性器に触れる奈良。
ナルトは声を堪え、吐息混りの熱の籠ったそれを吐き出す。
後ろを振り返る事は出来ず、ただ背もたれに掴まり瞼を閉じていたが、もう片方の手がシャツを捲りブラジャーをずらされて、ナルトの瞼はぱちりと開かれる。
『しゃ、ちょ・・・っ』
小さくなっている乳首を指の腹で撫でられ、尖りを見せてきた。
誰か来てしまうのではないか。
ハラハラとした気持ちと、どこか興奮をしてしまう自分がいて、頭を振った。
「なあ渦巻・・・」
『はい・・・っ』
震える声で返事をして彼の方にゆっくりと振り向けば、唇が重なる。
『・・・っ、ん・・・んんっ!』
浚うように舌を鹹め取られ、そのまま吸い付かれると、今度は痛いくらいに強く吸われ、ナルトはくぐもった声を上げる。
そして気付いてしまう。
奈良の身体がくっついた事で、彼の下半身が昂ぶっている事に。
自分と同じなのだと思うと、きゅんと胸が鳴ってしまった。
くらくらとしてしまう口づけをされて、ナルトの身体から力が抜けてしまい、頭がぽうっとする。
たったこれだけで力が抜けた事は初めてで、ナルトは同じ男として自分が情けなくなってしまった。
こんなにも気持ちの良い口付けをする奈良が羨ましいと。
うらを返せば、知りたくなかった。
「顔こっち向けろ・・・」
『やです・・・っ、や・・・んっ!』
ふるふる頭を振って拒絶をすると、奈良は顎を掴んで向かせ唇を重ねた。
ずるりと手が滑ってしまい、それを彼が抱きしめ支えてくれる。
上あごを舌先でなぞられると、ぞわりとしたものが背中を奔る。
震える手で掴んだ奈良のシャツに皺を作り、ナルトは力なくそれを引っ張った。
「――なんだ」
『も、やめてくださ・・・っ』
濡れた瞳で彼を見上げて悲願するも、それは煽るだけの材料にしかならない。
奈良は目じりを指の腹で撫でると、閉じられるナルトの瞼。
「全部は止めてやれないな」
『そんな・・・っ』
「どれを止めてほしい・・・?」
どちらも止めてほしいのに、どちらかを決めなければならない事が、ナルトには決める事が出来ない。
口付けも、触れられる事も、ナルトには辛くて苦しい。
「どっちだ?」
『・・・決められません』
一つを止めても、もう一つの行為は続くのだから。
「――もう聞かないからな」
『・・・っ!』
ナルトは奈良の瞳がすうっと変わった強い瞳に怯えてしまい声が出なかった。
何か一つでも言えていたら違っていたのだろうか。
それは変わらないだろう。
きっと其処には触れず、他の所を触れてくる感じがしたから。
奈良の優しく触れる手が、ナルトに乱暴はしないと告げているようで。
膝の上に横向きで乗せられ、ナルトの片方の足は床に落ちていた。
『ふう、ううっ・・・んんっ!』
口付けをしながら奈良はナルトの昂ぶりを刺激し、苦しそうに眉を寄せるナルト。
口端からは混ざり合った唾液が顎を伝い、空気が欲しくてナルトはもぞりと脚を動かす。
「――良い顔してるな」
『あ、はあ・・・っ、は・・・っ』
離れるとナルトは荒い吐息を零しながら呼吸を整える。
口端に伝ってるものを彼の指が拭い、それを舐める姿がいやらしくて顔を逸らした。
「だいぶ濡れてきたな、ここ」
『・・・っ』
隠したくても隠せれなくて、自分の手でそれを隠すもあっけなく取られてしまう。
黒い下着でも、光の加減で濡れている事が分かってしまい、張詰めたそこは形を作っていて尚更恥ずかしい。
肌蹴たシャツからはナルトの赤くなった乳首が露わになり、彼はそこにキスをする。
そして赤を散らし、奥に手を忍ばせた。
『いや、社長、そこはいや・・・っ』
「聞かないって、言っただろ・・・」
それとこれとじゃ全く違う。
「どうしてお前がこの格好をしているのか、聞いて来たよな?」
『・・・はい』
突然の問い掛けにナルトは頷く。
「好きな時に触れるからだ。」
『――え』
素の声が出てしまったが、ナルトは気にならなかった。
触りたいときに触るとは、随分セクハラ過ぎないか。いまもそうなのだが、ナルトは不思議と受け入れてしまっている。
同性同士だと分かっていながらも、ナルトは嫌悪感を抱いていなかった。
「お前を傍に置いて、こうやって出来るだろ?」
『・・・社長は、変わった趣味の他に、ゲイだったんですね』
「いや、ノーマルだが、お前なら出来るだけだ。」
いきなりの本音にナルトは呆気にとられた。
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