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NARUTO
七 

外したまま奈良はナルトの格好を眺めた。

何処から見ても色気があり、恥らう姿が何とも言えない。

「ここ、大丈夫だったか?」

『・・・っ、はい』

彼に触れられると身体が熱くなってしまい、指先が少しでも触れるだけでびくりとしてしまう。

「・・・ここは?」

肌蹴た胸元はボタンが飛んでしまって手で押さえていたが、それを取られて彼の手が入り込んできた。

『・・・っ!』

パットが入ったブラジャーの中に手が入り込んで、奈良はその小さな突起に触れる。

『あっ、や・・・大丈夫、でした、から・・・っ』

「じゃあここは」

身体を捩ってしまったナルトの尻に奈良は触れると、ふるふる頭を振る。

「だが、お前に触れたのは確かだろ」

『そ、れは・・・っ』

鋭い眼光がナルトを見据え、気まずさで俯いてしまった。

この変化がナルトには怖かった。

普段温厚なだけに、怒りを露わにした時の奈良はどんな時でも怖いのだ。

「お前はいっつも触られすぎんだよ」

『そんなこと・・・っ!』

あるだろうが。言葉を塞がれナルトは言いかえす事が出来ない。

「どんな格好してようが、お前はそうなんだよ」

『・・・っあ』

直接尻を触られて思わず小さな声が漏れた。

更にスカートは捲し上げられて、ナルトの綺麗なそれが露わになる。

『しゃっ、やだ・・・っ』

恥かしい。両手で顔を隠して呟くナルト。

黒とレース使いのガーターベルトは中心に可愛らしいライトピンクのリボンが付いている。

「お前は言わないよな、桐山に誘われたことも葉山の事も、足を痛めた事も・・・」

『どうして知ってるんですか・・・っ』

誰にも言っていないのに。

驚愕の眼差しを向けると、彼は口許を笑わせて言葉にする。

「その前は一課の渡辺、武本、人事の奥園に白石・・・取引先の菅野もいたな」

全てナルトを誘ってきた名前。

食事や映画、ドライブと色々誘われてきたがナルトはすべて断っている。

『・・・誰にも言ってないのに』

「ああ、お前が俺の事を管理するように、俺もお前の事を把握してる。」


そんなに壁が薄かったのだろうか。

「お前そんなに仕置きされてーの・・・?」

『いえ、されるようなことは・・・っん!』

していない。言い終わる前に奈良はナルトの唇を抓んだ。

「してるだろうが・・・」

『・・・・・・。』

誘われた事を言っているのなら、それはお互いに付き合っている時だけで、ナルトはその必要性を感じなかった。

誰かに触れられたり、言葉で言われても、それはやはり自分の性別が違うせいでいう事はないと思っていたが、それがいけなかったのかもしれない。

早くに言えていたら、被害を抑える事が出来たのだから。

それは怒られても致し方ないこと。

黙る事で、被害は増え、苦しめてしまったのだから。

『・・・すみませんでした』

「何に対してだ」

『・・・上役からセクハラされていた事を、黙っていた事にです。もっと早く社長にお伝えしていれば、他の女子社員達が苦しまなくて済みました。』

自分のせいだ。

「あとは?」

『・・・これといって思いつきません』

「――は?」

え?

ナルトは奈良の反応がいまいち分からない。

どうしてそんな不機嫌な声を出すのかが。

「お前、足黙ってただろ」

『それは・・・すみません』

しゅんと頭が下がると、奈良はナルトの顎を掴んで上を向かせる。

「仕事が終わって誘われたりしたら、お前はどうすんだ?」

『それもきちんとお断りしています。』

なにを聞かれるかわかったもんじゃない。

それに、もし強い酒を呑まされて酔いつぶれでもすれば、危うくなってしまう。

『お誘いは全て、お断りしています。』

「・・・ならいい。」

頭ごと奈良に抱きしめられて、ナルトは瞼を閉じた。

まるで恋人との時間を過ごしているような錯覚がした。

それだけナルトは人の温もりに飢えていたから。

「・・・お前には苦労させてるのは分かってる」

ぽつりと奈良が呟き、ナルトの背中を撫でる。

「本来の姿で仕事をさせなかったのは俺の責任だ。」

『ですが、自分はこの仕事が好きです。』

好きだと、すなおに思った。

彼の行動を考え、読んで何かをするのが。

「こんな恰好をさせていることも」

『・・・そういう人を対処する為、ですか?』

「少し違うな・・・」

違うのか。じゃあなんでこの格好をしているのだろうか。

いまなら聞けるのかもしれない。ナルトは意を決して奈良に尋ねる。

『どうして、この格好なんです?』

「――似合ってるからだな」

ナルトの目が何度も瞬きをくりかえした。 

似合っているからこの格好を強いられているのか。

『あの、自分じゃなくてもいいような・・・気も』

言いにくそうに返すと、奈良は溜息をつく。

「・・・普通秘書にこんなに触ったりしないだろうが」

『あ、願望だったんですね!』

そういう趣味を持っていたとなればナルトは納得する。

女性にそんな事出来ないからこそ、自分がこの格好をしている。

『・・・って、なんかそれすごく虚しくなります』

「そうか、じゃあならないようにしてやる」

戻れるわけでもなのに、どうなくすのだろう。

奈良はそのままナルトの唇を塞いだ。

『・・・っ!』

突然のことにナルトの目は見開かれ、丸くなりその視界には奈良の端正な顔と、鋭く光る黒の瞳。

ぐっと顎を更に逸らされて、ナルトの唇は自然と開く。

そこに奈良の舌が入り込み、ナルトのそれに吸い付く。

『ふ、う・・・んうっ!』

引込めようと逃げるナルトの舌を、逃さないよう鹹め捕り、ナルトをそのままソファーの背に凭れかかせた。

「次何かあったら必ず言え・・・」

『・・・っ、はい』

赤い顔でうなずくと奈良の手はそのまま胸元に入り込む。

『あの、社長・・・?』

「あ?仕置きがまだだろうが・・・」

今ので終わりだと思ったのに、どうやら違ったようで奈良はそのままナルトの小さな胸の突起を指先で引っ掻いた。

『あっ・・・っ』

ぴくん、と肩が動きナルトは口許を覆う。

「触られてもずっと黙ってただろ」

誰が許すか。

奈良はそう告げてシャツのボタンを外さず引き裂いた。

『・・・シャツ破かないでくださいよ!』

「怒る所がそこか・・・」

ブラジャーを外してしまえばまっ平らな胸が露わになり、ナルトは隠そうとシャツを掴む。

「縛るぞ、それ」

『やです・・・っ』

真っ赤な顔で涙を溜めながら言葉を返し、奈良は小さな突起に唇を寄せた。

『あの、これ以上は、その・・・っん!』

「誰が悪い・・・?」

言わなかった自分です。

消え入る声で奈良に返した。



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