NARUTO 信じすぎたらダメな事もある R18 ナルトは綱手に言われて火影岩中腹にある古書所の整理をしていた。 資料や巻物だらけの室内にナルト一人でちんたらしていれば、気になる巻物を見つける。 『・・・なんだ、これ』 薄汚れていて文字すら読む事が難しいその巻物を、ナルトは紐解き、中を眺めた。 『・・・これって』 にやりと顔を笑わせて懐に隠し持ち、ナルトは整理を多重影分身を出して早く終わらせ帰宅した。 埃をかぶったナルトは先ずシャワーをあびてスッキリしてから持ち帰った巻物をテーブルの上で開く。 『こんなものがあったなんてなー・・・』 巻物を見ながらナルトは印を結んで練習した。 その頭の中では違うものが妄想されていて、ナルトは早く試したくて仕方が無い。 『いつもいつもシカマルにやられっぱなしだからな』 仕返しだ。けれどナルトは気付いていなかった。 このナルトがしている印の結び方が、後からとんでもない事態になる事を。 そして、やはりナルトらしく後悔する事を、この時のナルトは気付いていなかった。 ****** シカマルと会う約束をしている今日、ナルトは練習の成果を出そうと気持ちが晴れやかだった。 『その後どうしてやろうかなー・・・』 頭の中はシカマルに何をしてやろうか、それしかなくて終始笑顔を浮かべている姿に里の者たちは首を捻る。 あの喜びようは、もしかしてナルトにも遂に女が出来たのか。 もしかしてナルトに好きな人との約束が取れたのか。 案外富くじでも当たったのかね。 憶測が飛び交い、ナルトの噂があちこちで出回っていく。 「なーににやついてんだ?」 キバが赤丸を連れて声を掛ければ、ナルトはにこりと笑みを浮かべる。 『キバかー、いやさ、俺ってば今考え事しててさー。』 「んなににやける程か?」 『あー・・・そんなにしてた?』 してたしてた。キバがからから笑いながら告げると、ナルトは自分の頬を手で抑える。 楽しみなのが前面に出ていれば、シカマルに悟られてしまう。 そう考えると数回頬を叩いて気を引き締めた。 シカマルの家に着くと昼から休みになった為彼は浴衣姿になっていた。 「んで、何が解読しにくいんだ?」 『これだってばよ、なんか古い巻物で術式書いてんだけど、わかんなくてさ。』 部屋に行くと、ナルトは持ち帰った巻物をシカマルに見せて、解読している時に術をかけようと考えていた。 「・・・これ縛術の何か、か」 薄くなって読みにくい巻物をシカマルはそれでも何の術なのかを考えている中で、ナルトはシカマルの背後に立って印を結んでいく。 『何となく分かんだけど、相手を縛るってのは分かってんだよ』 「その効果が分からないなら危ないんじゃないのか?・・・なにやってんだよ」 振り返り呆れた顔でナルトに告げるも、本人は印を結び終えて口許を笑わせる。 『――縛術!』 けれど何も起こらずナルトは首を傾げて、シカマルは溜息を吐いて巻物に目を通す。 『・・・なんで?』 間違っていないのに。ナルトはもう一度印を結ぼうとした時、シカマルが手招きする。 「ナルト、ちょっと見てみろ」 『ん?なになになに』 シカマルの肩に手を置いて背後から覗き込むナルトに、彼は喉を鳴らして笑った。 『・・・シカマル?』 「お前ってホント、馬鹿だよな」 『は?ちょーっとまてってばよ、馬鹿ってなにいっ・・・へ?』 黒いモノがナルトの手首に巻きついて目を丸くさせる。 『なっ、なんなんだよ、これ・・・』 「最後まで読まないから悪いんだぞ」 『説明しろーっ!!』 ぶんぶん腕を振って黒い靄を払おうとするナルトに、シカマルは巻物を閉じた。 「これはな、縛術でも違う意味の術なんだとよ」 『はあ!?んなのいいからどうやったらとれるんだってばよ!!』 両手首に巻きついて互いにくっつこうと引き合う力が強くて、ナルトは意地で引き離そうとする。 「方法はあるが・・・お前いいのか?」 『なにがだよ、取れるなら何でもいいってばよ!!』 早く取ってくれ!ナルトはシカマルにそう告げると、彼は立ち上がってナルトをベッドに押し倒した。 『ちょ、シカマルなにすんだよ・・・』 「・・・取りたいんだろ?」 取りたいがどうしてシカマルに押し倒されなければならないのか。 『でもこんな取り方あるか!!』 「書いてあるからやるんだろうが」 ナルトの腹を跨いでシカマルはシャツに手をかけた。 抵抗しようとすると、シカマルは印を結ぶ。 「だまってらんねーのか、お前は」 『シャツ捲る意味がわかんねー!!』 取れねえ、くっついた両手首を引きはがそうするナルトに対して印を結んでいたシカマルから影が出てきた。 「・・・二本じゃ足りなさそうだな、お前を黙らせるのには」 『・・・っ!』 するする伸びてきた影はナルトの手を片方ずつ抑え、首元までシャツを捲った。 『シカマルお前解く方法って本当にこれなのかよ!?』 「・・・お前が結んだ印は情事的なものだったんだよ」 『――は?』 シカマルから発せられた言葉にナルトは驚きでふるふる震える。 「緊縛プレイの一種で、マンネリした奴とかそういう趣向の奴がするんだとよ」 『・・・解き方ってないのか?』 「すれば取れる」 『・・・・・・』 俺とシカマルがする? どうやってする?どこをどう使ってする? ナルトの頭の中は疑問ばかりが浮びあがって顔を青ざめさせた。 『・・・するだけなら今からそういう所に行ってくるから退けて?』 尤もな事を告げれば、シカマルの瞳が眇められてぞくりとする。 「――無駄だ、そんなもん」 『無駄って・・・お前頭平気か?』 「お前が俺に触ったせいで、俺までもかかっちまってんだよ」 こんな筈じゃなかったのに。 ナルトは後悔の文字が頭の中でグルグル回った。 [前へ][次へ] [戻る] |