NARUTO
二
依頼された物を届けて、ナルトは宿に行けると安堵するが、それを打ち破る言葉に絶望感を抱く。
「お土産頼まれてるから、先に買っちゃうね」
『・・・先、行ってても、いい?』
「だーめ、襲われるから。」
それはない、と言いたいが今の自分はきっとその者たちからすれば餌でしかないのだろう。
「その後、お風呂で取ってあげるから我慢ね」
『・・・っ、うん』
ぎゅっ、と恥ずかしのを隠すように彼の腕を掴んだが、それが煽る材料になることなんて知らない。
「・・・いいこだね」
わざとナルトが感じる項を微妙な力加減で撫でると、肩をはねらせる。
『あ・・・っ!』
眉を寄せて甘い吐息を漏らすナルトは、誰かに聞かれてしまっていないか瞳を動かす。
誰もいないと知りながら、カカシは耳元に吐息を吹きかけた。
『ふぅあ・・・っ、やだ・・・っ』
濡れた瞳で睫を揺らし、きゅっと閉じる唇。恥らっている姿がカカシには可愛く見えて喉を鳴らして笑う。
「ここ、凄そう・・・」
『・・・っ!』
かああ、と顔に熱が集まり耳まで赤くなる。そんなこと指摘されなくても、ナルトが一番良く理解している。
下着はもう溢れた露を吸い取り濡らし、ズボンにまで染みが出来ていないか不安な事を。
それすら知っていながら意地の悪い言葉を、恥ずかしい気持ちにさせる言葉を、この男は言うのだ。
腿が震え覚束無い足でカカシの後ろを歩き、時々声を漏らすナルトに、買い物途中のカカシはピタリと止まる。
「少し、休もうか・・・」
『・・・え?』
返す言葉すら熱を孕み艶めいてしまったナルトの姿に、行き交う人が振り向いている事にカカシは気付く。
子供から大人に成長した姿は、印象的ともいえる美しいアーモンド形の大きな瞳。
さらさらとした金色の髪は光りに反射して輝き、二重の瞳は青空のように青く、いつも濡れているように輝いている。
それが今ではがらりと変わり、まるで誘われているかのように蠱惑的だった。
人気のない、林に連れ込まれ幹に背中を押し付けられると、カカシは服の上からナルトの性器に触れる。
『ひっ、あ・・・っ』
「しっとりしてるね・・・」
なか凄そうだね。囁く声に肩を竦ませ、奥がきゅっと締めつく。
『・・・たい、帰りたい・・・』
欲しくてたまらない。頭の中で淫らなことばかりが浮び、何もかもがおかしくなってしまいそう。
「かえれないよ・・・」
『やだ・・・さわ、触ってよ・・・っ』
お願い。自分から彼に抱きついて腰を擦り付けた。
『がまん、してたじゃん・・・っ』
それはカカシも同じことで、何度ナルトを抱こうとしたことか。今に始まったことでは無いが、いつも堪えているのはこちらの方。
「触ってあげるけど、此処でなんかしないよ?」
『意地悪、すんなよ・・・っ』
ぐりぐり肩に顔を擦り付け不貞腐れるが、それでもいいと思ってしまった。
「でもね、先生見たいな・・・ナルトがこれでイッちゃう姿。」
『やだ!・・・や、いやだ・・・っ!』
意思を持っているように中の球が動き始め、ナルトは縋り付く。
「沢山チャクラ込めたから、ね?」
チャックを降ろして濡れた下着が露わになり、ナルトはそれを隠そうとする。
その手を掴み一纏めにしてカカシはナルトの下半身を見下ろした。
「凄い濡れてるね、ナルトのパンツ・・・」
「ふあっ!・・・あ、ああっ!」
つう、と指先を上下に動かしただけの微弱に腰を揺らすナルト。
「こんなに湿らせて」
持っている玉を握りチャクラを流し、中で蠢くそれは一つに纏まり一番敏感なところに当たった。
『あ、あああっ! いやぁだぁ・・・っ!』
頭を振り啜り無く声で訴え、足に力が抜ける。
ゴム紐で抑えられているナルトの性器は、そのピタリと肌にくっつきその周りを濡らしている。
見せつける為に指に絡め取りナルトの眼前にもっていく。
「――こんなんだよ?」
『や・・・っ』
見たくない。羞恥にかられ顔を逸らし、瞼を瞑るが強く性器を握られ背筋が震えた。
『んんっ!・・・だっ、め・・・っ』
このままでも達してしまいそうだとおもった。
いつものように彼の指先だけで追い込まれるのは好きではない。ナルト一人で淫らな姿を晒し、それを観察されているようで。
どうせ乱れるのならば、二人で繋がったままそうしてほしい。
『・・・っもう、ほし、い・・・っ』
いじめないで。切なく縋ったナルトはもうどうしていいのか分からなかった。
この疼きや熱を、彼の物で満たして欲しくて。
びりびりとする身体を、彼の手でどうにかして欲しくて。
「――困った子だね。」
呆れてしまったのだろうか。こんないやらしい自分を、欲しがる自分を。ジワリと浮かんだ涙は留まらず頬を伝う。
「・・・馬鹿だね、ナルトは」
その涙を吸い取り、瞼に口づける。
「そんな声で言ったら、苛めたくなっちゃうでしょ?」
本当ならこの後店に入って苛めてやろうと考えていたカカシは、変更をして宿に戻る事を決めた。
決めたのだが
『や、ああ・・・なか、やぁ・・・っ』
抱っこをされて歩くカカシは、もちろんチャクラを送り中を動かしていた。
耳に届く上擦った声はその奥を震わせ、首にしがみ付くナルトの腰は動きに合わせて揺れる。
『はぁ・・・っ、なか、すご、い・・・』
ぞくぞく背筋を振るわせ、徐にカカシの耳朶を口に含んだ。
「・・・っ」
子猫が母猫のミルクを吸うように、ナルトは口に含んで舐めたり吸い付いたりする。
「余裕、だね・・・」
瞳を細めて告げると、球は無尽に動き始めた。
『あ、ああ・・・、いっちゃ、い・・・んー・・・っ』
腕に力が籠り、ナルトの背中は退け反りびくびく痙攣する。
じわりと生暖かいナルトから出た物が服を濡らす。
「――いっちゃったんだ?」
『いっ、じわる・・・っ、ふう、あ・・・やだぁ・・・っ』
今出る力で肩を何度も叩くナルト。放埓してもまだ刺激を求める身体に、ナルトの頭はおかしくなっていく。
『はやく・・・さわってってばー・・・』
駄々をこねた子供のようにカカシを求め、首筋を甘く噛んだ。
「・・・痛いって」
困った笑みを浮かべるが、触りたいのはこっちの方だと思った。
普段言わない言葉を何度も言われ、煽られて。余裕のある振りをするのがナルトの前だと、それが辛いときだってあるのだ。
宿に着くと食事はいらないと告げて室内に入った。
靴を脱がされ降ろされる事はなく、そのまま客室露天風呂に向かう。
「先生の服まで、ぬれちゃったね・・・」
『ごめ・・・っ』
抱かれたままするりとツナギの上だけ脱がされ、触れてもいない胸は張詰めていた。
「ここも、こんなになってたんだ・・・?」
『あ、うぁ・・・っ』
壁に背中をつけさせ、カカシは刺激を欲しがっていたとがった乳首をぬろりと舐め上げると、声がもれる。
意識していなかった小さな赤い突起は、さらに固くなっていく。
『あっ、ああ・・・っ、や・・・』
少し痛いぐらいに吸い付かれ転がされて、甘痒いような愛撫は、感じ過ぎて苦手だった。
「いや?・・・好きでしょう」
感じすぎて。態と突起に触れるような距離で告げると、ナルトは首を振る。
「ここも、好きだろう?」
強引に下着の上から湿っているものを掴まれる。
手のひらで全体を揉みしだかれて、湿った音がやけに響いて顔を赤らめた。
『だ、め・・・そんな、したら・・・』
「・・・したら、なに?」
普段から意地悪でからかいながら追い詰めてくるのに、こんな時でも目の前の男の声はひどく柔らかく、ナルトはよけい敏感になってしまう。
「してほしいこと、言ってみな、ナルト」
『だ、から・・・さわってって・・・ば』
彼から施される愛撫を知った肌は、期待感だけでさらに露が溢れた。
性器をくすぐるような触れ方ではなく、もっと強くはっきりとした力で触れて欲しい。
自分の身体の中で一番飢えている所が何処なのかも、どうして欲しいのかも自覚しているナルトは瞳を彷徨わせた。
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