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NARUTO
研修医 渦巻ナルト R18   

※全くの素人な為、専門されている方に不快感を感じさせてしまったら、申し訳ございません。

色々と調べましたが間違いがあったらごめんなさい。









子供が泣きじゃくる声が廊下にも響きわたり、看護師が宥める声も聞こえてくる。

嫌なものは嫌。はっきり伝え、身体を突っ撥ねて拒絶をしたり、耳がキーンとしてしまうほどの声を出されたり。

兎に角看護師の仕事は大変だと毎日思うが、もう一人大変な者がいた。

ぎゃははははは、と大きな笑い声がキッズルームから聞こえてくる。

元気な子供たちの中心に目立つ金髪頭の白衣姿。

「ナルト先生可愛いよ!!」

『よし、今日はこれで頑張るか!!』

笑顔を向ける女の子に、研修医の渦巻ナルトは結ってもらった髪の毛に触れながら笑う。

キャラキャラ笑う子供達。けれど身体に抱えたそれぞれの病気と前向きに向き合い、痛みや苦しみに堪える姿はとても健気な形があったりする。

「・・・なんですか、その髪型」

看護師が怪訝な顔で尋ねると、ナルトの顔はでれっ、としただらしない顔になる。

『いやー、ミーちゃんが結ってくれたんですよー』

お気に入りのボンボリなんです。と嬉しそうに話すが、この研修医は見た目と違って子供達から好かれ、退院した子供達から手紙が良く届く。


ぐぎ、と髪の毛が後ろに引っ張られて顔が上を向くと、ナルトはきょとりとする。

『・・・奈良せんせ?』

おはようございます。その体勢であいさつをすると、小児外科医長の奈良は眉を寄せてナルトの額を指で弾く。

『いっ、て、なにすんですか!?』

「それ、306号室の花岡さんのボンボリだろ」

聞いてくださいよ!奈良の腕を掴んでナルトは嬉しそうに話始めた。


****


ナルトは診察室に入り患者のカルテを眺めているとドアが開かれる。

『石川和樹君、今日はどうしましたか?』

歩くのが辛そうに背中を丸めて椅子に座る子供。

隣に母親が心配な顔で眺めている。

「昨日の夜から吐き気と熱がでまして・・・」

『朝はどうでした?お腹を下しているとか』

カルテに書きながら腹を押さえている子供に視線を向けると、突然笑いだす。

「・・・っははははははっ!先生髪の毛・・・っ!」

「和樹!あんた何笑ってるのよ!」

『いいだろこれ、入院してる女の子が結ってくれたんだぞ!』

可愛いんだぞ!と話に乗っかりナルトも笑う。

『今日の髪形はこれなんだよ、崩れたら直してもらう予定だ。』

「なにそれ・・・っ」

けたけた笑い声は待合室まで届き、隣で診察している奈良にまで届く。

ビービー泣きわめく子供は、注射を嫌がり涙をボロボロ流す。これには親も看護師も困りもので、何とか泣き止むようにするが、子供によって変わる。


*****


遅い昼休みの時、奈良が現れた。

「渦巻、ちょっといいか?」

『はーい』

奈良に呼ばれてあとを追うと、ナルトの表情がぴしりと固まる。

『奈良先生・・・俺ちょっと・・・っ!』

逃げようとするナルトの肩をガシリと捕まえ、そのまま引きずり中に入った。

「いい加減克服しろ」

『今から外科のトイレに行ってきます・・・』

引き攣る顔でドアに向かおうとするが、それより強い力で引っ張られると、靴がするりと滑る。

『う・・・わあ!』

ふわりと風に乗って鼻に届く香りに後ろを見て、ナルトは更に固まる。

「・・・やるぞ」

『うう・・・っ』

分かりましたよ。観念したナルトは椅子に座った奈良を見て言葉にする。

『痛かったら、言って下さいね』

ナルトは採血が苦手で、子供相手にそれは出来なくて内科の手伝いに行った時か、実家に戻った時にしようと決めていた。

自分より逞しい腕をとり、じっと眺め血管を探していると脛に痛みが奔る。

『・・・痛いです』

「見てないでやれ」

ぎろりと睨まれ、引き攣るナルト。容姿に良い奈良は鋭い目つきをしているが、話すと案外優しかったりする。

けれど、手足が悪くいつもこうなってしまい、奈良は溜息を漏らす。

「実践した時苦労するぞ。」

『はい』

駆血帯を奈良の腕に締め付けて、浮かんできた血管に触れる。ぷにぷにしていて触っていたいが、アルコール綿で消毒した。

少し屈んで針を固定してプスリ、と戸惑う事無く刺せばまた脛をけられる。

「ちげえ」

『ご、ごめんなさい』

綿で抑えながら針を抜いた。

やはり苦手だ、と胸の中で呟いた。






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あきゅろす。
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