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NARUTO
二 

昼休みになると明日ナルトが空手の練習試合に出る事が話題となるが、それよりも空手が出来た事に驚く者が多かった。

場所は変わり

あちこちから楽しそうな声が聞こえるなか

暗く重たい空気が漂い、キバの顔は情けない幼馴染を呆れた顔で眺めてた。

「シカマルよ、毎回そうなるなら止めれって・・・」

「仕方ねえだろうが・・・」

胡坐をかいて膝の上で頬杖をつくシカマル。

呆れた溜息を吐いて落ち込む姿は、教室にいる時とは別人。見かねたキバは声を掛ける。

「見るんだろ、ナルトの空手」

「見るに決まってんだろ」

見ないでどうすんだ。こんな姿を当人が知ったらどんな反応をするのか、キバはある意味楽しみでもあるが

ナルトの前だと冷たくなってしまったのは、今年に入ってから。

嫌いではないのに、シカマルが冷静になろうとすればするほど言葉足らずになり、声音すら冷たくなってしまう。

傍をはなれればいつも自己嫌悪に陥り、溜息ばかりが出る。

「あんまそうしてっと、マジで嫌われるだけだぞ。」

あんま話さなくなったろ。

キバの辛辣な言葉にシカマルは更に落ち込む。自分の態度や言葉がナルトを傷つけてしまっている事を。

「あんなに笑ってたり、懐いてたのになー・・・」

可愛そうに。見ているキバですらそう感ずる所があり、何とかさせようとするが効果はみられなかった。

強がるのはいいが、このままでは本当にナルトが離れてしまうのではないか。最近のキバはそればかりが頭を悩ませる。

「・・・ナルト、空手やってたのか」

「なんか訳ありな顔してたけどなー」

話す内容出来たじゃん。

からから笑う彼にシカマルは眉根を寄せて脛を蹴った。


小作で整った顔立ちは甘い白さ、透明感のある綺麗な碧眼に影をつくる長い睫。


流麗な身体つきは女のようしなやかさがあり指先までほっそりしている。

なのに話すとそれは一気に崩れ落ちて驚いたのは今でも鮮明に覚えている。

友人になると毎日が楽しかった。

友人を越えた感情を持ち始めたのは、昨年の冬休み前。

元に戻ると軽く見ていたシカマルの読みは簡単に破られ、強まっていくばかり。

このままでは何かをしそうな自分が恐ろしく、距離を取るようになった。

結果としてはこの気持ちのせいで、何も悪くないナルトを傷つけてしまい、話す事が少なくなり周りにまで嫉妬してしまう悪循環。

こうなりたかった訳じゃないのに。

気持ちを落ち着かせたかっただけなのに

後悔の念ばかりが募る。

「別によ、あのままで良かったと思うけどなあ・・・」

「なんでだよ」

「ナルトってお前にかなり懐いてたから、抱きつかれてて得だったじゃん。」

得ではあるが、憎さもあった。

悩んでいるのに抱きつかれたりされると、勘違いしてしまいそうだから。

その無邪気さが、シカマルを苦しめたのも確か。

「・・もたねえ」

「そんで落ち込むんだもんあー・・・」

どうしたいのよ、お前は。

キバはシカマルに尋ねた。



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