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NARUTO


人気なら騒がれるのは仕方が無い。

黙らせるのだって、場所が図書室だから当然の事。

ならどうして他の人がやりたがらないのか。

性格が黒いとは、人使いが荒いだとかサボルだとかで?


アプリゲームをやりながらちゃんと考えていたナルト。

ただ

言われた人の名前をナルトは知らない。

ナルトは中学三年の三学期に外部入学をした。そのまま高校へ進学をしたのでまだ知らない事だらけ。

「んじゃダッシュな!」

『おーけーおーけー!』

ジャージに着替えたナルトは、校舎の角までのダッシュ競走をするのにストレッチをした。

「負けたらジュース奢りな!」

「俺梅よろし!」

『・・・俺ジュースよりドルチェマキシムのバニラがいい』

「「高級アイスだろうが!」」

きにくわねえ!タックルを受ければもう一人からもくらい、げらげら笑うナルト。

「んじゃいくよー」

皆河が手を前に出して合図を送れば、三人は一斉に走り出した。

三人とも学年で速く、一人は現役陸上部とバスケ部。

ナルトは元からのものだが、活発で良く走っていた。

「あれ・・・やべぇ!」

「は?どうし・・・げっ!」

二人は何かに気付き減速するが、ナルトがそれに気付くのは遅かった。

『やっべ・・・っ!』

前方に人が歩いていて、ナルトは緩めようとしたが、ナルトに気付いた生徒は一瞬目を丸くする。

『あぶ、な・・・いおっ?!』

腕を掴まれ靴が滑りバランスが崩れた。

『あ・・・りがと・・・っ』

ナルトのもう片方の手は地面について下から身体を支え、足は相手のを挟むように止まった。

「・・・大丈夫か?」

『へ、いき・・・うわっ!』

ぐん、と勢い良く引っ張られ立ち上がる。

ネクタイを見て学年が一つ上だとナルトは気付いた。

黒い髪の毛はハーフアップにしていて少し着崩した制服。

「気ぃつけれよ」

『ぶつからなくて助かりました。』

ありがとうございます。

頭を下げて二人の方へと走っていた。

「あれが・・・渦巻ナルトか」

呟きは風と共に流れ消えた。


「大丈夫だったか?」

『いやー、あの人力あんのなー。』

助かった助かった。

半笑いを浮かべるが、二人の表情は少しぎこちなかった。


集合をかけられナルトは階段を使わずそのまま飛び降りた。

「何無茶やってんだ!」

『へーきへーき!』

にししっと笑いながらブイサインを作ると、皆河は嘆息をこぼす。

天真爛漫なナルトは明るくて人懐っこい性格で、ノリの良さもよく、何時も笑っている印象を与えやすい。

『全部倒せばいいんだな?』

「そうだナルト!あのハードルは全部倒してタイムを計る競技なんだ!」

屈伸を始めたナルトの背後で、腹を抱えながらも笑い声を抑えるクラスメート達。

ナルトは帰国子女でもあり、日本ではこう言う競技があると言われ信じてしまった。

『ぶったおーすっ!』

ナルトは張り切って走りハードルを倒していけば、背後からは爆笑する声とそれを叱る教師の怒号。

『テメー等待ちやがれーっ!』

猛ダッシュで走り戻ると散り散りに別れるクラスメート達。

『取り敢えず大橋ぃぃっ!』

「ぎぃやぁぁっ!」

近くにいた生徒に向かって走り焦る生徒だが、ナルトの目は細まり砂埃を立てながら方向が変わった。

『・・・と見せ掛けて宮沢ぁぁっ!』

「かかって来いやぁぁっ!」

ファイティングポーズをとる宮沢に、ナルトは腕を伸ばしてエルボーを食らわそうと突っ込む。

『てんちゅ・・・うぇっ!』



繰り出した腕は当たる前にナルトの身体が後ろへ引かれた。

「はいどーどー」

『俺は馬じゃねぇっ!』

終始傍聴していた皆河の腕がナルトの腹に回り止まる。

「何でもかんでも、騙されるナルトが悪いんだって。」

『あーもーっ!!』

バタバタする足は、地を蹴ってはおらず宙を漂っていた。




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あきゅろす。
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