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NARUTO
薬局

父親のミナトが休日に風邪をひき、薬が無くてナルトは近所の個人薬局へ来たナルト。

『すみませーん』

探すのが面倒でナルトは店員を呼んだが返答が無い。

『あーのーっ!』

物騒だな、と感じながらも店員を探していれば、物音がした。

「・・・はーい」

だるそうな男の声がしてナルトはカウンターへ向かうと、それを物語るような雰囲気を出している店員。

『あの、えーっと・・・ヂカ、印?あーっ!何だったか忘れちまった!』

「・・・あ?」

頭を抱えてしゃがみ込んだナルトに、男は眉根を寄せて見下ろした。

『何だっけ・・・あーと・・・』

「電話すれば?」

頬杖をつきながら尤もな事を告げれば、ナルトはポケットを探る手が止まる。

『・・・電話貸して下さい。』

正しいお辞儀の角度で告げれば、男はくすくす笑って自身の携帯を差し出した。

「今親使ってっから」

『・・・ありがとうございます。』

受け取り自宅に掛ければ咳き込みながら出るミナト。

『父ちゃん母ちゃんは?!』

「・・・トイレ」

『薬なんだっけ?』

聞ける相手がトイレなら、ミナトに聞くしかなくて尋ねればせき込まれて話にならない。

『とーちゃん薬ーっ!』

「ちょ、まっ、ぐふっ!」

無理だこれ。ナルトは諦め顔を浮かべればクシナが替わり名前を聞いて通話を切る。

『・・・鹿印の風邪薬の錠剤ありますか?』

ありがとうございました。携帯を返すと男は棚から言われた物を取り出した。

「これな」

『これこれ!臭くて苦いのに効き目抜群なやつ!なー、シカマルー。』

鹿印を見ながらナルトは笑顔で言えば、男は気まずそうな顔を浮かべていた。

『・・・おにいさん?』

「これが、なんだって?」

指で薬袋を叩く男にナルトは首を傾げたまま告げた。

『鹿マークのシカマル。』

「・・・呼び名あるなら忘れねぇだろ」

『だって父ちゃんの鼻声と鼻水すごかったから、印、しか解んなかった・・・』

そうか。納得はしたものの、複雑な顔は変わらない。

自分より幾つか上であろう男は、肩まで伸びている髪の毛をハーフに縛りそれが良く似合っていた。

「わりーわりー。おーナルトじゃねぇか、どうしたよ。」

『あ、シカクさん!父ちゃん風邪引いた!』

シカクが現れナルトは近寄り話すと、またか。と呟く。

『だからシカマル買いに来た!』

「はぁぁっ?!」

シカクは目を見開いて笑顔を向けるナルトをみた。

『俺もシカマルじゃねぇと効かないし。』

「どう言う事だ・・・シカマル」

何やらかした。言いたげな鋭い視線に男はため息をつく。

『シカクさん、シカマルはこっち!店員さん睨んじゃ駄目じゃん!』

一人ケタケタ笑うナルトと、複雑な顔が2つ。それに気付いてナルトは首を傾げた。

『・・・どしたの?』

「ナルト、こいつは息子の、シカマルっつーんだ・・・」

目を何度も瞬かせ、ナルトは言われた言葉を頭の中で呟けば顔色が変わって頭を下げた。

『ごっ、ごめんなさい!』

「いや、いい・・・」

やはり複雑なのは変わりはしないが、彼は気にするなと肩をたたく。


「ま、これあんまり知られてねぇかな。」

『凄く効くのに?』

「ナルト、これは手作業だからそう出てなくてな。今じゃ年寄りか親しい奴しか買わないんだ。」

勿体ないなと感じながらもナルトはシカクに薬代を渡した。

「てかアイツ近々出張じゃなかったのか?」

『そうそう、今回母ちゃんもくっついてくって。』

「お前・・・大丈夫なのかよ」

心配な眼差しを向けるシカクにナルトはへらりと笑う。

『へーきへーき!』

どうだかな、とシカクの眼差しは変わらずのまま、ナルトもへらへら笑いながら薬を受け取り自宅へと戻ったナルト。


「シカマル買いに来た、ねぇ」

「・・・うっせぇよ」

口元を抑えて俯く彼の耳は少し赤かった。



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