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NARUTO
これって最高

時々性別が疎ましいと思うようになった。す

異性だったら人目を気にせずに寄り添えれたのに。

女体化でやってみた。

思い切り嫌な顔をされて引きはがされた。

元の姿でやってみた。

まんざらでもなかったようだが、俺が恥ずかしかった。

そんでもって、10代女性から無制限で人気な奴。

何処に居ても視線が集まり

髪の毛を掻き上げただけで、誰かが熱っぽい溜息を零して頬を染めている。

二人で歩いているだけで、いつもこんなのばっかり。

『・・・いらね』

「食いたいって言ったの誰だ」

餡蜜を食べたくて入ったものの、この視線とひそひそ話す声が煩わしくて食欲が減った。

『食えなくなったんだよ』

溜息混じりにナルトは匙を置いた。

それを不思議がるサスケは首を傾げる。

「食え」

『ならサスケに向けて来る視線をどうにかしてくれ。』

うんざりした顔で外を流し見ても人。頬杖をついて瞼を閉じた。

どうしてこうも平然としていられるのか

昔からそうだったからもう麻痺しているのかも知れない。


自分とは全く正反対で

『・・・・・・。』

ナルトは瞼を開くと餡蜜を持って立ち上がった。

「どこいくんだ」

『すぐ来る。』

ひらひら手をふってナルトは調理場へ向かった。

「・・・・・・。」

サスケはそれをじっと眺める。

そしてナルトが居なくなったのをいい事に近付いて来る者もいる。

「あの、うちはサン私達とたべ・・・」

「うるせぇ」

彼はいま不機嫌なのだ。

きっと調理場で食べているに違いないと思ったら、尚さら苛立ちが募る。

『サスケ、包んでもらったから行こう』

「は?」

布に包まれているものを持っていた。

『ここじゃ食えないし、支払いもしてきたから行こ!』

にっかり笑ってサスケの前に手を差し出した。

彼は一呼吸置いてそれを掴み立ち上がる。

「勝手に払ってんじゃねえよ」

『めんどっちーっ!』

こつり、頭を小突かれながらも二人は外に出た。

『あそこで食う』

「どこだよ。」

アカデミー近くにある森の中。

ナルトはそこが好きで、良く行っては何もせずただ空を眺めたり寝たりする。

『サスケこっちこっち!』

森を歩いていくと少し拓けた場所が現れる。

大きな大樹に飛び乗り太い枝に腰掛けた。

包みを開くと餡蜜が入っていて蓋をあける。

『見晴らしいいだろ?』

「ーー・・・だな」

全然見つからねぇの、けたけた笑いながら餡蜜を口に含んだ。

『うまぁい!』

ふにゃりと表情を緩めた。

視線が無いだけでこんなにも食が進むとは思わなくて、ナルトの表情は綻ぶ。

「ナルト」

『んー?』

咀嚼しながら首を傾げた。

嚥下するのが分かるとサスケは項に手を回して口端に唇を寄せる。

『・・・・・・っ!』

「・・・甘いな。」

ぱちくり。そんな音がでてしまう程ナルトは驚き固まった。

手ではなく口て取られた事が解ると、ナルトの頬は僅かに赤くなる。

『ついてるなら言えばいいのに・・・』

「人がいねぇんだから必要ない」

悪びれた色を全く浮かべず、寧ろそれが当たり前といいたげな表情。

そんな彼にナルトは口を震わせるだけだった。

『だっ、だからって・・・』

「落ちるぞ」

『は?や・・・んっ』

視線を外したら唇を塞がれた。

それに驚いて餡蜜が入った容器も匙も下へ落下してしまう。

サスケが一度離れようとしたら首に腕か回った。

『ーー・・・足りねぇ』

「は、上等」

もっと、と言う目で彼を見つめまた重なる。

今は誰もいない。

しかも部屋とかじゃなく真昼間の外

こんな事が出来るなら、早く来れば良かったと二度も感じた。

外にいても、二人だけの空間はなく何時も視線がついていた。

その中にサスケの好みがいたら嫌でたまらなかった。

本当は真昼間でも手を繋いでみたいだとか

腕を組んで歩いてみたいだとか

夢の中でしか出来なかった。

「ガキか、お前は」

『えへへへへへー。』

それが一気に実現したら、破顔せずにはいられない。

腕を組んで指を絡め繋いで、時々キスをする。

こんな時間、最高だと思う。




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あきゅろす。
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