NARUTO
二
黒緑色の浴衣は自分で着て、豆がら茶色の縦縞に帯は深緋色。
明るい色も良かったが、サクラはこれを選んで正解だと改めて実感して、満足げだった。
「わー・・・っ、ナルトってばまぁ・・・」
「似合うでしょー?」
呆然とした色を浮かべて話すイノにサクラは誇らしげ。
(こりゃ人目引き付けるわ)
イノはまじまじとナルトを眺めて予感した。
人々が賑わうお祭りには、可愛く着こなした浴衣を着て歩く女同士や、そのカップル。
夫婦だったり家族連れや男同士。
様々な人が楽しんでいる。
そんな中で
「ほら大丈夫だって」
『あ、いや、何か・・・』
物影に隠れて様子を見ているナルト。
どうしても自分の姿がしっくり来なくて違和感しかない。
サクラとイノも浴衣に着替えていて、可愛く綺麗だ。
サクラに腕を引かれナルトは二人の間に入れられる。
「大丈夫だって!」
「楽しみましょう、ナルト!」
二人に励まされ、楽しもうと決めた。
「こーんな美女に挟まれてるのよ、あんた自信持ちなさい!」
『あでっ!・・・まあ、イノの言う通りだな。』
腰を叩かれ、ナルトは笑う。
カカシが居ないのはやはり寂しいが、二人が折角やってくれたのだから楽しまなきゃ。
「高速手裏剣当てですって!」
「・・・でもイノあれ早過ぎない?」
高速回転している的当てを見て、サクラはアホくさい顔を浮かべた。
『綿飴買ってい?』
「色々な色があるのねー」
ナルトは黄色の綿飴を
サクラはピンク色の綿飴を
イノは水色の綿飴を買って、歩きながら食べる。
『・・・・・・?』
サクラとイノに挟まれて歩いているナルトは気付く。
やはり二人に視線が集まっている事。
二人だけだったら間違いなく男に声を掛けられているに違いない。
ナルトにも異性同性から視線が集まっている事には全く気付いていなかった。
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